東日本大震災の県内被災地を視察 | ちば自民党

東日本大震災の県内被災地を視察

 3月11日の東日本大震災の発生から、早くも8ヵ月が経とうとしています。日本中を震撼させ、悲しみのどん底に突き落としたあの大震災を、私たちは決して忘れることはありません。自由民主党千葉県連は11月4日、千葉県の9月補正予算が成立し、国の3次補正予算もようやく目途が立ってきたこの時期に、改めて県内各地の被災状況と復旧・復興へ向けての確かな歩みをつぶさに見て回り、復興を加速させるための施策を県政に反映させようと、主な被災地を視察してきました。

 合同被災地視察団は、県連の青年局・青年部の県議と女性局及び千議連の女性局員ら総勢32名で構成され、県からも防災危機管理監の災害対策室長などが同行しました。視察先は、甚大な被害をこうむった旭市、香取市、浦安市の県内の主な3被災地で、津波や液状化による被害状況や復旧・復興への取り組み状況を見て回りました。

○ 旭市

 旭市は死者13名、行方不明者2名、建物の全壊318棟、半壊844棟、一部損壊2104棟など、津波によって最も大きな人的被害に見舞われました。

 視察団は、最初に旭市のいいおかふれあいスポーツ公園に150戸が建設された飯岡地区の応急仮設住宅の現状を見て回り、被災者の生の声も聞いて回りました。さらに、津波によって漁船が陸に打ち上げられた飯岡漁港では、展望台に上り、担当者から被災時の惨状について説明を受けました。また、津波が押し寄せた飯岡海水浴場などの九十九里沿岸をバスで移動しながら、ところどころでバスを降り、沿岸施設などへの被害状況を視察しました。九十九里自転車道は舗装がめくり上がったり、陥没したりなどし一部区間では通行できない状況となっていました。

 また、2ヵ所の海水浴場では消波ブロックが散乱しており、消波ブロックの一時撤去と安全対策が急務になっていることを実感しました。このままでは海岸の浸食も懸念されていました。

○ 香取市

視察団のバスは、旭市から液状化被害の激しかった香取市へ移動し、香取市役所近くでバスを降り、液状化で護岸が崩壊した小野川までの約550mを歩いて視察しました。香取市は、負傷者こそ4名でしたが、建物被害は全壊93棟、半壊1985棟、一部損壊は1605棟に及びました。

市街地では、比重の重い住宅が地盤沈下し、場所によっては道路が盛り上がっていました。逆に、農地では、道路が重いため路面が沈下し、本来、農地より高いはずの道路が沈下して水が溜まっていました。また、農地には長い亀裂が入ったままでした。

被災した住宅地は、電柱が復旧したくらいで、3月11日とあまり変わっていない様子で、復旧の遅れを実感しました。また、液状化対策は、国の制度では対象とならないため、県の支援制度しか利用できません。修復の工法もいろいろあり、床の傾きだけを直して、家屋の傾きはそのままにしている住家が多く見られました。施工の順番待ちもあるようで、復旧・復興に手間取っている状況を見聞してきました。

○浦安市

 香取市と同様、県内では液状化被害が最も激しかった浦安市では、重傷者6名を含む負傷者27名、建物被害は全壊10棟、半壊3614棟、一部損壊は4917棟と甚大な被害が生じました。液状化によって、路面に段差ができたり、各地で亀裂が発生するなどしたため、交通止めなどの規制があちこちで実施されました。

 視察は、日の出おひさま公園から日の出護岸へ移動し、県の葛南土木事務所などの職員から状況説明を受けました。現在は、応急の復旧工事で路面の舗装が行われていましたが、本格的な復旧工事は、地下埋設物の復旧工事の後になるため、来年1月から順次行われる予定とのことでした。また、液状化で土砂が地下から噴き出したことにより、地盤の置き換え工事も行わなければならず、本格復旧工事が完了するのは、来年5月ごろになる見通しだそうです。

 このため、浦安市では災害救助法の弾力的な運用を求めており、自ら応急措置を施した住宅については、遡及的に対応してほしいと要望しています。また、マンション敷地内の共用施設の被害に対する支援や、県の住宅再建支援事業の期間延長を求める声などがあり、自民党県連の視察団はこうした声をしっかり受け止め、国や県へ住民の立場に立って対応するよう求めるとともに、党内の政務調査会などを通じて、引き続き党としての政策立案を行ってまいります。


以上