自民党千葉県連議員団三番瀬を視察

平成12年1月14日

『三番瀬埋め立て推進』

「自民党県連議員団が現地視察」

千葉日報 平成12年1月15日 紙面より


市川、船橋市沖に広がる東京湾最奥部の干潟・浅瀬「三番瀬」を埋め立てる県の市川二期・京葉港二期地区計画で十四日、自民党県連の国会議員と県議二十七人が初の現地視察を行った。同計画の最終案は今年度内に、大規模開発に関する知事の諮問機関「県環境会議」(会長・林雄二郎前東京情報大学学長)に報告される見通し。市民団体を中心に保全を求める声も強いが、県連幹部は「地元市の要望を反映させていかなけれはならない」と埋め立て推進の必要性を強調した。県議会の約三分の二を占める県政最大与党の推進論に、最終案に対する環境会議の見解が注目される。

地元市要望を尊重

注目される環境会議見解

視察したのは井上裕参院議員(県連最高顧問)、中村正三郎衆院議員(同会長)、飯島重雄県議(同幹事長)ら国会議員と県議二十七人。県連としての三番瀬視察は初めて。昨年末、「視察もしないで全国から注目されている三番瀬問題の議論はできない」と、計画策定へ大詰めを迎えている三番瀬視察を決めた。

一行は同日午前、県土木部と県企業庁から見直し計画案の説明を受けながら、市川市と船橋市の計画海域を視察した。

三番瀬について、井上氏は「環境問題も地域の生活も大切だ。いろいろな意見もあるが、何といっても県や市川、船橋市などの地域要望を反映させていかなけれはならない。県連は埋め立て推進の立場をとっている」と、事業の必要性を強調。第二東京湾岸道路には「高架か地下方式かは、専門的な話を聞いてから判断したいが、環境庁が出している(地下方式)実は財政的に厳しいのではないか」との認識をを示した。

中村氏は「環境庁長官も務め、この間題にかかわってきた。この地域はもちろん、県南部や東京湾全体の地域にとって重要な問題だ」と述べた。

埋め立て計画をめぐっては、県が各界代表者から意見を聞く「計画策定懇談会が昨年末で事実上終了。県は同懇談会での論議を集約したうえで、各委員から意見を聞く。さらに、この意見を踏まえて、埋め立て面積百一ヘクタールの見直し案を基本に県環境会議に報告する最終計画案をまとめる。

既に計画案策定作業に着手しているが、船橋市側の京葉港二期地区は、見直し案通りの十一ヘクタールとする方針。市川市側の九十ヘクタールは今後、市川市との協議で面籍が前後することが予想される。

県環境会議では、専門家で構成する下部組織の環境調整検討委員会とともに、最終計画案を検討。県は環境会議から出された見解を踏まえ、計画を確定させる。その後は環境アセスメント、公有水面埋め立て手続き、着工−という手続きで流れが進むが、着工までには三−五年はかかる見通しだ。

県は百一ヘクタールの見通し案作成にあたり、二年間と約六億円をかけて環境面での補足調査を実施。策定懇談会を設置し、シンポジウムを開くなど事業に関して幅広い意見を聞いたが、事業の必要性、環境保全面から、市民団体を中心に白紙撤回を求める声も強い。

環境会議への報告に向けて県企業庁は「新しい公共事業の進め方として、意義をもたせたい」としている。