第44回県連定期大会・政策報告 | ちば自民党

第44回県連定期大会・政策報告

政務調査会長 莇   崇 一

 私は、当面する政策の大要を述べ、皆様のご賛同を得たいと存じます。

 本年度の政策活動の目標は、「地方の時代・分権時代をリードする先進県千葉を築こう」であります。

 本年は千葉県とわが党にとって、大きな転換点となった年であります。

 4月、5期20年間にわたって県政を担当してこられた沼田前知事が引退され、新たに堂本暁子知事による県政がスタートしました。わが党は、沼田知事以前から続いてきた「完全与党」体制から、わが党の擁立しない知事による県政に対して、「是々非々」の立場へと変わりました。

 本定期大会は、今年も半年が経過した本日、開催されております。政策的にみると、二段階にわたった本年度予算が成立した去る6月定例県議会までと、それ以降の堂本県政による後半部分と大きく二つに分けて考える必要があると存じます。

 むろん、わが党が唯一の責任政党であることは、県の体制如何にかかわらず、いささかも変化するものではありません。しかし、県政に対して、また、議会活動においても、今後は、おのずと、より厳しい姿勢が求められるものと考えます。

 そこで、今回の政策報告も、本年度の県予算成立までと、それ以降、今後の方針とについて、分けて申し上げたいと存じます。


 まず、平成13年度の県当初予算についてであります。

 着実な進展を続けてきた本県は、「21世紀は千葉の時代」といえるまでに、全国に誇れる県勢へと発展してまいりました。わが党は、こうした発展を支えた数々の政策について、必要な継続は当然ながら、一方で、新たな「百年の計」に向けて、今まさに、これまでの総締めくくりと併せ、新時代のわが国の最重点課題である真の「地方の時代」の創造のための出発点と考えます。

 こうした認識に基づき、現在の引き続く厳しい財政環境のなかにある今年度の県予算編成に対して、大きな将来展望として、「地方分権」の着実な推進と従来の経済発展にたよった政策・施策によらない、主体的な政策の展開が最も重要であるとの観点から、予算編成に臨みました。

 新たな時代に向けた胎動を生かしうる独自手法の選択も含めた、厳しくかつ確実な政策の実行として、移動政調会や各種団体等から寄せられた切実な県民ニーズや要望を精査し、また、日常活動による新たな視点をも加味して、350項目を超える要望を提出し折衝を重ねてまいりました。

 この結果、本年度の県当初予算は、先ほどもふれましたように、現職が引退する知事選挙の関係から、2月に「骨格」、6月にいわゆる「肉付け」として二段階で編成され、一般会計で172,633,100万余円の規模となりました。伸び率をみると、対前年度比5.0%増、また、地方消費税関連支出を除いた実質支出規模でも4.3%増と、4年ぶりのプラス予算となったところであります。県民ニーズが反映されると同時に、新時代の基礎を固めるとともに将来への架け橋となる本年度の予算となったものと考えております。


 この予算成立までが、これまで続いてきた与党体制としての政策活動であります。

 そして、政策報告の後半部分になるわけであります。先ほど堂本県政に対しては是々非々の姿勢と申し上げましたが、まず、6月定例県議会におけるわが党の代表質問で明らかなように、わが党はこれまでと質問のスタイルを大きく変えました。

 従来、わが党の代表質問は、原則として再質問は行わなかったのでありますが、今回は、政治姿勢として全6項目の質問のなかで、再質問、再々質問を行ったのであります。

 なかでも、県政運営、堂本知事が目玉政策として掲げているいわゆる三番瀬問題、また、当時の仮称・県民会議については、重ねて厳しく質しました。しかし、知事の答弁は、あえて核心をはずしているかのように、的確にかみ合った明確な答弁は聞けませんでした。選挙戦であれだけ華々しく公約として宣伝・アピールしていたのにもかかわらず、知事に就任して公の場である議会で、曖昧な答弁に終始していては、その本意を窺うことはできません。

 また、いかに知事選挙の公約であったからといって、従来の県政の流れを大きく変えるような政策は認めるわけにはまいりません。

 今後とも、政策論議は厳しい姿勢で臨みたいと考えております。

 それにつけて、早速、来る17日に、通称三番瀬の現地調査を実施することとしております。知事が提唱している「シンポジウム」の出席希望がおもわしくないとも聞いておりますが、わが党として、独自に、再度、市川二期・京葉港二期地区計画について、現地に赴き詳細に調査する所存であります。

 こうした観点から、堂本知事は三番瀬問題について「白紙撤回」を公約としてきましたが、白紙撤回後はどうするのか、その考え方を明らかにしておりません。その結論はシンポジウムの成り行きをみて結論を出すという、無責任な白紙撤回であると指摘せずにはいられません。本問題については、再度質していきたいと考えております。

 また、これも知事の選挙公約として実施されている「県民会議」について、広く県民の声を聞くことは是とするが、しかし、執行部の最高責任者が、直接県民と対話し約束したことは、当然のことながら実施しなければなりません。当然、県民も期待いたします。しかし、これでは県議会の機能をまったく無視したことになります。執行権者と議会との権限は、それぞれ尊重しなければなりません。

 この県民会議が、来年度以降も現状のままで継続するとすれば、議会制民主主義を否定するものであり、その疑念はますます強くなります。

 わが党も、広く県民ニーズを把握するため、全国に先駆け移動政調会を開催し、昨年で25五回、四半世紀を数えました。


 移動政調会は、これまで、県下をいくつかの地域に分けて開催し、県政への要望反映を図ってまいりましたが、今後は、従来の国、県、市町村という縦のつながりのなかでの要望から、進展を進める地方の主体性の確立とも併せ、広くは市町村合併を含めた、地方の真の自立という観点から進めていきたいと考えております。

 具体的には、従来、最高で十会場であったものを、さらに細分化するなど、よりきめ細かな対応が図れるような方法を考えております。同時に、ただ要望を聴くだけでなく、各地域における話し合いの場の創造を考えます。

 先の参議院議員通常選挙は、小泉人気も相まって、わが党は単独で改選議席の過半数を獲得しました。一時期のいたみを承知の上で、「構造改革なくして成長なし」とする小泉内閣の方向が大きく支持されたものであります。こうした改革支持の方向を受けて、今後、来年度の国の予算編成に向けて、これまでなかったような激動も予想されます。

 しかし、成熟・安定した経済社会と聖域のない構造改革により国際競争にさらされる今後の新しい日本社会の新生のため、わが党は、まさに退路を断った、いわば最後の挑戦ともいえる場面に直面しております。

 厳しい経済情勢のなかではありますが、現状をそのまま持ち上げるというような、従来みられた対処療法的な手法にたよらない、大局的な将来展望に基づいた確実・着実な政策の立案・実行が求められます。

 本県においても、こうした基本方針に加え、よりきめ細かなニーズの把握により、確かな将来展望、百年の計を創造してまいります。

 唯一の責任政党であり、大衆的党であるわが党の使命は極めて重大であり、大きな転換点である今こそ、政治の指導力をいかんなく発揮し、「地方の時代・分権時代をリードする先進県千葉」の21世紀づくりのため県民とともに邁進してまいります。

 みなさまのご支援、ご協力をお願いし、政策報告といたします。

第44回県連定期大会