政策方針 | ちば自民党

政策方針

政務調査会副会長 河 上 茂

 私は、今年度の政策の方針を述べ、皆様のご賛同を得たいと存じます。

 本年度の政策活動の目標は、「真の県民ニーズに沿った先進県千葉の構造改革で、地方の時代・分権時代を築こう」であります。

 経済の拡大を前提とした一律な発展社会から、真の競争が求められる社会へと転換してきている社会情勢のなかで、これまで有利な条件を享受してきた本県も、そのあり方の見直しが求められています。言うまでもなく、大胆な質的転換の必要性であります。

 こうしたなかで、四年前、知事選に向けた混迷の狭間で思いもかけず当選した堂本知事は、千葉からの変革と創造を旗印に、財政再建と新たな県政の方向付けの二兎を追うとして県政にあたりました。

 千葉県政史上初めてのタイプの知事であったことから華々しいデビューではありましたが、実際の四年間はどうであったでしょうか。

 財政再建や行政改革については、次々に新商品が出てきても、それらが一貫したビジョンのない場当たり的な発想のため関連性がなく、また、それらの施策に直接関係する各方面の意向を顧みない一方的なものでありました。決定的なのは、枠配分予算として規模を一律カットした上で各部局長に予算を丸投げするという乱暴な手法であります。

 これは、知事という唯一の執行権者としての責務を放棄した、リーダーとしての資質のなさを見事に露呈したものであります。

 また、主張はしていた地方分権や地方の主体性、さらには、市町村に対して求めた広域連合も、分権や合併については、結局は知事自らの強い指導力はみられず、特に、広域連合については市町村に対する姿勢と首都圏における自らの姿勢の食い違いなど、どういう理念があるのか疑わざるを得ません。

 さらに、徹底した情報公開と県民参加にしても、住宅供給公社問題をみてもむしろ情報の出し渋りであり、聞こえのいい県民参加も、知事のいう県民とは、「特定の」と付けた県民とすればすべての言動が理解できるほど偏った県政運営でありました。「なの花県民会議」も、県や市町村職員の動員によって成立していたものであります。

 加えて、センセーショナルな公約であった三番瀬問題については、四年間の時間とコストをかけて、結局条例案も提示していません。

 知事は就任当初、わが党の「三番瀬問題特別委員会」で、「三番瀬の問題は知れば知るほど奥が深くて難しい問題です。自民党が特別委員会を立ち上げ、審議してくれるのは大変ありがたい」と挨拶しました。公約したものの、三番瀬のことは何も知らなかったのです。

 こうした四年間の評価であり、また、知事自身もそう位置付けた今回の知事選挙は、客観情勢で明らかに不利であったわが党支援の森田候補との票差で明らかなように、むしろ批判の方が多かったわけであります。

 それにもかかわらず、開票直後には「もっと早く当選が決まると思った」などと浮かれて有頂天になり、現在では「勝ち方は問題ではない」などと開き直る姿には、六百万県民に向き合う真摯な姿勢は微塵もみられません。

 堂本知事の一期四年間の県政運営やリーダーとしての資質、また、県内各界・各層の声、さらに、行政職員の皆様の現況を考える時、わが党は、「明確な野党」としての宣言やむなしに至りました。わが党は、一期目の是々非々より、一層態度を鮮明にした是々非々の姿勢であらゆる局面に臨むことをここに宣言いたします。

 そのためには、まず議会対応における明確な姿勢が求められます。すべての議案に対して、詳細に調査・検討、精査を行なった上で、結果としての是々非々で臨むこといたします。

 新たな姿勢をとるなかで最も重要なことは、政党本来の要のひとつである政策部門のより一層の充実・強化であり、政策の第一線での実働が図られることであります。

 特に、是々非々を貫くには、部会の活発化は欠かせないものとなってまいります。

 そして、特定の県民でなく、広範・多様な県民の声を基に、真に県民による県民のための県政を第一に、従来の県民対話のより一層の強化に努めてまいります。

 野党宣言をしても、わが党は依然として責任政党でありますし、今後とも、その使命を十二分に認識してまいります。将来を見越した的確な政治の指導力を発揮し、時代を見据えた政策の立案・実行に努め、地方の時代・分権時代にふさわしいバランスがとれ真に全国をリードする先進県千葉づくりのため県民とともに邁進する覚悟であります。

 皆様のご支援、ご協力をお願いし、政策方針といたします。

第48回県連定期大会