第51回定期大会 政策方針案 | ちば自民党

第51回定期大会 政策方針案

政務調査会長 岡村泰明

 ◆前文

 わが党は今、立党以来の最大の危機に直面している。

 昨年夏の参議院選挙において、定数3の千葉県でわれわれは2名の候補を擁立したものの1議席にとどまり、全国では38議席という大敗を喫した。

 この歴史的な大敗は国政の混乱を招いており、われわれはこれを真摯に受け止め率直に反省しなければならない。

 この反省の上に立ちながら、「政権を担当できる政党はわが自由民主党である」との不退転の決意の下に国民・県民の負託に応え得る安定した政治体制を確立することが極めて重要である。

 よって本年は次に掲げる点を重要課題とし、今、県民が求める「安全」「安心」「安定」の政治を構築できる政党づくりに邁進しようとするものである。

 ◆盤石な党組織の再生につとめよう
  参議院選挙での敗北によりわが党の支持基盤の脆弱性があらわになった。

 今後は支持層の拡大と党員の増強により、どのような情勢下での選挙でも対応できる強固な党組織の再生を急がなければならない。

 昨年の党員は、20,412名を数え、一昨年とほぼ同数の党員数であった。しかし、支部等の状況を見ると、地域支部において70支部のうち、11支部。職域支部においては43支部のうち、18支部が支部構成要因である50名の党員に達しておらず、また、衆・参議員候補者選定基準である党員確保努力目標については、一人も達成されていない状況である。

 よって本年は、昨年同様、次の4点を課題に掲げ、盤石な党組織の再生に努めるものである。

①衆・参議員候補者選定基準である党員確保努力目標の達成
②地方議員支部の「50人党員継続の義務づけ」
③支部構成要因である「党員50名以上」の徹底
④職域党員の増強・定着

 ◆青年・女性・学生組織の充実・強化を図ろう
  昭和30年の立党以来、わが党を支え続けてきた原動力は、18歳以上のすべての年代やさまざまな職業を持つ党員である。 いま、わが党にとって、「非常事態」にあるとき、政権与党としての責務を果たすためには、党活動の原動力である組織力強化が必須である。特に、基幹組織である青年・女性・学生各組織の拡充・強化はその枢要を成すものである。

 そのため、①青年・女性両組織の連携強化、②学生部の確立・充実、③各組織が一体的に取り組む運動の推進、④魅力ある党員獲得事業の展開、⑤党員外支持層に対する新たな提案、―を組織力強化の重点事項と定め、組織の充実・強化に努めるものである。

 ◆国民・県民に届く広報活動を展開しよう
  選挙活動における広報の重要性は飛躍的に高まっているが、先の参議院選挙においてわが党の広報戦略が功を奏したとは言い難い。この反省の上に立ち、次なる選挙に向け、情報発信機能をさらに強化し、国民・県民の心をしっかりつかんだ戦略を立案、展開しなければならない。われわれは以下の目標を掲げ、党組織の隅々まで情報が行き届く広報活動を展開する。

①機関紙誌の内容充実に加え、争点となる政策テーマを特集したビラや機関紙号外など、情勢の変化に迅速に対応した広報物の作製
②無党派層・若年層に積極的にアプローチするための党ホームページの拡充
③党本部、県支部連合会、支部間のスピーディーな情報の共有化の推進

 ◆衆議院総選挙、千葉県知事選挙必勝態勢を構築しよう
  昨年7月29日に施行された参議院選挙は、わが党にとって大変厳しい結果であった。われわれは、自民党支持層をまとめきれず、その一部が民主党に流れ、無党派層の大半も民主党に投票したことを反省する必要がある。

 われわれは、存立の危機にひんしている今、次期衆議院総選挙において勝利することがいかに困難であるかを党員一人一人が深く自覚しなければならない。「千葉は自民党が強い」「自民党に世論の追い風が吹けば」などといった過信や望みを一切捨て、たとえどんな逆境でも必ず勝ち上がる強靭な態勢を構築し、次なる戦いに備えなければならない。

 また、前回わが党の支援候補が6,086票の僅差で辛酸を嘗める結果となった千葉県知事選挙は、敗因は特定できるものではないが、まず、出馬表明から投票日まで一ヶ月余という短期決戦であり、しかも、候補者を公認も推薦もせず支援という形をとったために、自民党支持層を固め切れなかったということが挙げられる。

 そこで、われわれ自由民主党は、この知事選の反省に立ち、来春の知事選挙に向け、早期の候補者擁立、党が一丸となって戦う盤石な組織づくり、選挙対策機能をより一層強化するなど万全を期するものである。

 ◆真の県民本位の千葉県を築き、分権時代・地方の時代をリードしよう
  「平成の大合併」が一段落し、県内も枠組みの大きな変化のなかで、地方分権・地方の時代の到来が、地方自治のあり方とそれにかかわる全ての者に、真の自主性と責任を求めるものとなっている。

 しかしながら、こうした市町村の大変貌に加え社会経済情勢の変化のなかで、県としての方向性は混迷の度を深めている。指摘し続けてきた堂本県政誕生とその県営運営である。めまぐるしく次々と出されてきた方針や計画等は、関係する各方面の声や意向を顧みない場当たり的発想であり、一貫したビジョンや施策の関連性もない、どれをみても猫の目発想のため、県内の混乱はもはや限界に達している。地方の時代として、真の自主性の発揮による自治体間競争の時代になる、まさにその入口ともいえる重要なこの時期に、こうした県政運営がさらに続けば、新時代に向けての本県の飛躍は到底望めない。

 平成20年度の県予算は、一般会計で、対19年度予算と実質規模比較で0.4%増の1兆4,406億9,900万円の規模で編成されている。しかし、当初予算段階でまた145億円の財源不足であり、18年度から3年連続の財源不足という異常な財政運営が続いている。さらに、現在の財政見通しでは、歳入・歳出差し引きの財源不足が21年度から24年度までの合計で3,500億円と試算されており、まさに危機的状況である。

 一方でわが党に寄せられる切実な要望は数多く、今回も予算編成に際し、200項目を超える要望を提出した。中でも緊急性かつ重要度の厳しい精査を行い、1.水道総合対策補助、2.私立学校経常費補助、3.耐震化の推進と防災対策の充実、4.医療体制の充実と医師の確保、5.乳幼児医療対策の充実、6.子育て支援の充実、7.地球温暖化対策の推進、8.有害鳥獣対策の強化、9.中小企業振興策の充実、10.観光の振興、11.農業王国ちばの確立、12.国道・県道の整備促進と維持補修、13.総合的な学力向上対策の推進、14.警察官等の増員等の14項目を最重点として絞り込み要望し、折衝の結果、全て予算措置がなされた。どれも切実な県民の声であり、県民ニーズにそった、真に必要な県政の方向性の確立をめざしたものである。

 わが党は、堂本県政の一期目4年間は是々非々の姿勢としてきたが、二期目の選挙では、明確に「反堂本」の姿勢で選挙戦を戦った。現在、県議会も第16期となった新体制のわが党県連の県政への対応は、堂本知事に対する政治的姿勢は反知事である。しかし一方で「県民与党」の立場から、議会対応を中心とする県政に対しては是々非々の姿勢であらゆる局面に対応している。

 議会対応も、二元代表制のなかで、独任制の知事に対して合議体である議会に求められる「監視機能」の一層の強化を図り、チェック・アンド・バランスの実効性向上のため研鑽を積んでいく。同時に、議会改革も、わが党が率先して実効を挙げ、新時代の地方議会に求められる責任を果たしていかなければならない。 時代に即した県政運営とそのための真に必要な政策の立案、実行にあたっては、時代を見据える確かな眼と県民ニーズの的確な把握が最も重要な点であり、県民ニーズにそった県政運営に変革していかなければならない。知事のいう県民参加は一握りの「特定の県民」でしかなく、仮であっても、特定思想や一部住民のみの意向を反映したものであってはならない。もし、そうした人々の参加による「千葉方式」であれば、これを断固粉砕しなければならない。千葉方式などはどこからも注目されていない。

 知事に対しては野党宣言をしても、県政における一貫した責任政党であり「県民与党」であるわが党は、今後とも、その使命を十分に認識し、きめ細かな県民対話による地域の要望・ニーズの把握に努め、そのうえで、将来を見越した的確な政治の指導力を発揮し、時代を見据えた政策の立案・実行に努め、地方の時代・分権時代にふさわしいバランスがとれ真に全国をリードする先進県千葉づくりのため県民とともに邁進する。

第51回県連定期大会