平成26年12月定例県議会 代表・一般質問質疑内容を掲載

12月3日(水) 第1日(代表質問)

  • 【収支不足250億 県税は増収見込み】
    江野澤議員は、財政問題に関し、編成中の新年度予算案で、歳入見込み額から各部局の要求額を差し引いた現時点での収支見通しについて尋ねた。

    森田健作知事は「250億円程度の収支不足が見込まれる」と答弁。歳入は、消費税率の引き上げの効果により本年度比で790億円ほど増額する一方、歳出は、社会保障費が増えるなど1040億円程度の増加となる見込み。森田知事は「事務事業の見直しや基金の活用などにより財源確保を図りたい」と述べた。

    また、本年度の県税収入見込みについて森田知事は「現時点では好調に推移しており、当初予算額(6817億円)を上回る額が確保できる見込み」と答弁。「法人事業税の課税対象期間が景気回復と重なった」ことを理由に挙げた。

12月4日(木) 第2日(一般質問)

  • 【富津市の財政状況「持続運営は可能」】
    吉本充議員は、財政破綻が取り沙汰された富津市の状況について、県の見解をただした。

    平井俊行総務部長は「富津市では近年、法人税収の減少が続く中、財政調整基金を年々取り崩すなど歳出と歳入が見合っていなかった」と説明。その上で「巨額負債が表面化して財政破綻した北海道夕張市とは異なり、行財政改革にしっかり取り組み、歳入に見合った適切な財政運営を行うことで持続的運営は十分可能」との認識を示した。

12月5日(金) 第3日(一般質問)

  • 【汚染灰の保管容器 二重化は月内完了】
    今井勝議員は、手賀沼終末処理場で発生する下水道汚泥焼却灰の現状と対策を尋ねた。

    同処理場では、指定廃棄物となっている下水道汚泥焼却灰を仮設倉庫内で約380トン、建屋内で170トン保管している。早川徹都市整備局長は「仮設倉庫では飛散、流出に対する安全性向上を図るため本年度、保管容器の二重化や開口部の密閉措置を実施しており今月中に完了予定」と答弁。今後、建屋内の焼却灰にも同様の措置を講じる方針。

12月8日(月) 第4日(一般質問)

  • 【東金九十九里有料 天候不順で利用減】
    實川隆議員は、圏央道の東金JCT-木更津東IC間の開通に伴う、東金九十九里有料道路の夏季観光シーズンの交通量の変動について尋ねた。

    永田健県土整備部長は、7~8月の1日当たり交通量について「開通前の2012年は8109台。開通後の翌年は8379と増加したが、ことしは7389台にとどまった」と答弁。理由として「夏季の天候不順」を挙げた。地域のイベントに協力するなど利用拡大を目指すという。
  • 【潜在看護師の支援 復職成果129人】
    石橋清孝議員は看護師確保に向けた取り組み状況についてただした。

    古元重和保健医療担当部長は「就業相談や講習会などにより潜在看護師の復職を促進し、昨年度は129人の再就職につながった」と答弁した。本年度は看護師養成施設2校に対し新設や定員増に向けた整備費を支援。県内就業を目指す看護学生への就学資金の貸付事業の対象を、新たに県外校の学生にも拡充したと説明し、「今後とも看護師の確保に努めたい」とした。
  • 【県外通学の子ども いじめ解決で連携】
    関政幸議員はいじめ問題に関し「県外へ通学する子どもたちの相談窓口はどうか」と尋ねた。

    滝本寛教育長は「『子どもと親のサポートセンター』などが窓口。実際に精神的なケアに関する情報提供などを行っている」と答弁。県外公立学校の重大事案については県教委指導課が中心となり、学校のある都道府県教委と連携し解決を図るという。平井俊行総務部長は「県外私立学校の重大事案は、基本的に県学事課が担当する」とした。

12月9日(火) 第5日(一般質問)

  • 【自転車利用者 摘発331件増】
    山中操議員は、自転車利用者の取り締まり状況について質問した。

    黒木慶英県警本部長は、本年10月末現在、指導警告は1万915件と前年同期に比べ137件減少した一方、交通切符などによる摘発は前年同期比331件増の853件に上ったと報告。「引き続き基本的な交通ルールを周知するための活動や指導取り締まりを強化する」と述べた。

    自転車が関係する交通事故件数は3735件(同前576件減)だった。
  • 【カミツキガメ捕獲 過去最多732頭】
    伊藤昌弘議員は、外来種のカミツキガメ対策について県の取り組み状況を尋ねた。

    中島輝夫環境生活部長は「本年度は捕獲実績に応じたわなの設置場所の変更、産卵前のメスの捕獲を目指した産卵時期の前倒しなどを行い、5~11月にかけ過去最多の732頭を捕獲した」と報告。

    卵の駆除が有効なことから昨年度から試験的に探索を実施し、昨年度は5カ所で140個、本年度は6カ所で104個を駆除した。
  • 【がんセンター新棟 18年度オープンへ】
    伊藤和男議員は、開設から40年以上が経過し新棟建設が計画されている県がんセンターの整備状況を聞いた。

    矢島鉄也病院局長は「現在、がん医療関係者や患者団体など外部有識者の意見も踏まえながら基本設計を実施している」と説明。

    来年度から実施設計を行い、2016年度に着工、18年度中の新棟オープンを目指す。矢島局長は「将来にわたりがん医療の中核施設として貢献できるよう整備を進める」とした。
  • 【病児病後児保育 約1万人が利用】
    中台良男議員は、子どもの看護が困難な働く保護者に対応する「病児・病後児保育事業」を取り上げた。

    中岡靖健康福祉部長は「昨年度は政令市と中核市を除き18市2町、計30カ所の病児、病後児対応型施設に対し約6千万円を助成し、延べ9802人の児童が施設を利用した」と答弁。

    同事業は来年度の新制度「地域子ども・子育て支援事業」に位置付けられることから、県は引き続き市町村の取り組みを支援する。

12月10日(水) 第6日(一般質問)

  • 【耕作放棄の農地 1万ヘクタールが再生可能】
    信田光保議員は、県内の耕作放棄地の現状を尋ねた。

    森田健作知事は「2012年度の再生可能の耕作放棄地は9830ヘクタールで、このうち優良農地である農用地区域は減少傾向に転じているものの、いまだに45%を占めている」と報告。昨年12月に策定した県農林水産業振興計画では17年度までに3千ヘクタールの解消を目標としており「国の交付金制度も活用し再生利用に向けた取り組みを支援していく」と述べた。
  • 【DV被害者情報 適正化へ追加調査】
    坂下しげき議員は、DV被害者の住所情報が加害者に漏れる事案が全国的に相次いでいる問題を取り上げた。

    総務省が本年6月に示した住民基本台帳の適正化の留意点を踏まえ、県は9月、市町村の事務処理の状況を調査。結果について平井俊行総務部長は「支援措置責任者の設置など十分な対応ができていない市町村もあった。今後、さらに追加調査をするなど市町村の支援措置の充実に努める」と述べた。
  • 【九十九里海岸に 10キロで津波対策】
    阿井伸也議員は、東日本大震災で津波被害を受けた九十九里沿岸の海岸堤防や、防災機能が認められた海岸保安林の整備状況について質問した。

    永田健県土整備部長は「甚大な浸水被害が生じた旭市の飯岡海岸から順次、海岸堤防や砂丘のかさ上げ工事を行っている」と説明。

    本年度末までに、海岸保全区域では旭市の海岸堤防約1キロ、保安林指定区域では旭市など7市町で砂丘約9キロの計約10キロが完成する見通しを示した。