令和元年9月定例県議会 代表・一般質問質疑内容を掲載 | ちば自民党

令和元年9月定例県議会 代表・一般質問質疑内容を掲載

9月27日(金) 第1日(代表質問)

  • 【奨学金問題処理「年度内に」】
    斉藤守議員は、看護学生らに県が貸与した奨学金(県内勤務で返還免除)の運用がずさんだった問題の現状をただした。

    県は、勤務状況が判然とせず、返還必要性の有無を確認できていない対象者(手続き未了者)が膨れ上がっている実態を昨年3月に公表した。

    滝川伸輔副知事は、今年7月31日現在、看護師や保健師向けの分で「手続き未了者2996人中、1353人の手続きが完了し、うち1315人は県内就業が確認され、返還免除となった」と報告。介護福祉士ら向けの分は180人中38人の手続きが完了し、うち26人が返還免除と決まった。

    滝川副知事は「就業状況の確認や住所調査を継続中で、本年度内のできるだけ早い時期に事務処理を終えられるよう進めていく」と説明した。

9月30日(月) 第2日(一般質問)

  • 【駐車利用証制度「課題整理」】
    林幹人議員は、障害者らに配慮した「パーキング・パーミット」制度の導入を求めた。

    障害者ら向けの駐車スペースの適正利用を目的に、地方公共団体が利用証を事前交付する制度。横山正博健康福祉部長は「利用証を持っていても駐車ができない課題も指摘され、特に駐車場が不足する大都市圏では譲り合いの心が大切と考え、啓発を実施中」と説明。

    制度の導入は「駐車場の管理者や導入済みの他県などからも話を聞いて課題を整理した上で」と述べるにとどめた。

10月1日(火) 第3日(一般質問)

  • 【台風ふるさと納税5千万円】
    宮坂奈緒議員は、台風15号被害を受けた本県を支援する、ふるさと納税の状況を聞いた。

    岡本和貴防災危機管理部長は、ふるさと納税用のインターネットサイト「ふるさとチョイス災害支援」の枠組みで、9月12日に寄付金受け入れサイトを開設したと説明。

    「同サイトを通じた寄付金額は9月30日正午現在で3395件、5388万7770円」と報告した。その上で「インターネットを活用したことで、全国の皆さんから迅速に寄付を寄せてもらえた」と謝意を表した。
  • 【松くい被害本年度20ヘクタール再生】
    川名康介議員は、松くい虫(線虫とカミキリ)による松枯れ被害への対応を聞いた。

    半田徹也農林水産部長は「昨年度の松くい虫の被害量は県全体で約600立方メートル。これまでの被害により、今後再生が必要とされる森林面積は約200ヘクタール」と説明。

    被害木伐採や薬剤散布による防除、小型無人機ドローンでの調査とともに、松くい虫に抵抗性のある苗木の植栽を通じた森林再生に取り組んでいるという。「本年度の再生面積は、約20ヘクタールを見込んでいる」とした。
  • 【空港活用防災力「効果的に」】
    小池正昭議員は、成田空港周辺の地域振興プランに、空港の防災対応力の反映を求めた。

    成田空港では台風15号で交通が遮断され一時混乱した一方、空港会社や航空会社が周辺地域に物資などの支援も行った。

    石川徹総合企画部長は、基本プランで「空港と周辺用地を活用した地域防災力の向上」を定めていると説明。具体的な実施プランの策定に当たって「今回の経験を実務者会議で十分に検証し、空港利用者、地域住民への効果的な支援の在り方を検討する」と強調した。

10月2日(水) 第4日(一般質問)

  • 【子ども安否徹底へ合同研修】
    中沢裕隆議員は、県児童相談所が関与する在宅の子どもの安否確認態勢を確認した。

      森田健作知事は、1月に起きた野田市の女児虐待死事件を受け、8月に改定した子ども虐待対応マニュアルで「特に夏休みなど長期休み中には家庭訪問などを積極的に活用し、休み明けにも学校と連携して安全確認を行うと記載した」と説明。

    改定内容の現場への着実な浸透を図るため「今月から児童相談所と市町村職員の合同研修を実施し、子どもの安全確認を徹底していく」とした。
  • 【農業施設、復旧経費助成検討】
    岩井泰憲議員は、台風で被災した農業施設の復旧に向けた県の支援策を聞いた。

    森田知事は、県では被災した農業用ビニールハウスや畜舎などの再建、修繕、撤去の経費への助成を検討しており、国に対しても必要な財政措置を講じるよう要請してきたと答弁。

    国が1日に、農業用ハウスの再建などに助成する交付金の発動を決めたことを紹介し「県としても経営の早期再開と安定化が図られるよう、国の支援も踏まえ、速やかに検討を進める」とした。

10月3日(木) 第5日(一般質問)

  • 【スクールロイヤー相談11件】
    木名瀬訓光議員は、児童虐待防止を巡り、「スクールロイヤー」の活用状況を聞いた。

    弁護士が学校からの相談に乗る制度。県教委と県弁護士会が7月に協定を結んだ。

    沢川和宏教育長は虐待、いじめ、近隣住民とのトラブルなど、これまで11件の対面・電話相談などを行い、8月には県内5カ所で小中学校長ら千人を対象に児童虐待対応などの研修を実施したと報告。「今後も学校が法に基づき毅然(きぜん)と対応できるよう効果的な活用に努める」とした。
  • 【梨新品種、苗木被害少なく】
    茂呂剛議員は、県が開発した梨の新品種の特徴や今後の販売促進策を聞いた。

    半田徹也農林水産部長は梨新品種「千葉K3号」について、果実の大きさ、食味の良さといった特徴を挙げて「贈答品の需要も期待できる」と紹介した。

    2021年秋にデビュー予定で、県は本年度、生産者への苗木配布、消費者へのPRのための愛称募集などに取り組む。育てている苗木への台風15号による被害は少なく、「予定通り配布できると聞いている」とした。
  • 【病院再編対象、県へ協議なし】
    伊藤和男議員は、国が再編統合を促す公立・公的病院を公表したことに見解をただした。

    渡辺真俊保健医療担当部長は「国は地域ごとに効率的で不足のない医療提供体制を構築する地域医療構想の実現を進めるため、全国一律の基準に基づく分析で、対象病院名を公表した」と説明。「公表に当たり、国から県に対して事前協議はなかった」とした。

    一方で、県としては「個別医療機関の将来構成は地域の実情を十分踏まえ、丁寧な議論を行う必要がある」と答弁した。
  • 【豚コレラの備え演習で指導】
    高橋秀典議員は、埼玉県でも感染が確認された家畜伝染病「豚コレラ」への備えを確認。

    森田健作知事は「予防にはワクチンが有効で、本県でも接種できるよう国に要望した」と報告。

    もし本県で確認された場合、対象豚の殺処分や移動制限、農場内・関係車両の消毒を迅速に行うため「獣医師会などとの協定で必要な人員を確保し、防護服や消毒薬は備蓄している」と説明。「養豚農家を対象に机上演習を行い、衛生管理や早期通報の徹底も改めて指導した」と強調した。

10月4日(金) 第6日(一般質問)

  • 【特別支援学校、3校新設へ】
    佐藤健二郎議員は、県立特別支援学校の整備計画の進捗(しんちょく)を聞いた。

    県の第2次整備計画では、2017~22年度に3校の新設を目指している。

    沢川和宏教育長は千葉・葛南地域、南房総地域への新設と、新設に伴う通学区域の調整を検討していると説明。「まずは設置場所について、関係市と連携し、廃校となっている小中学校の活用を中心に調査検討を進めている。速やかに予定施設を明らかにできるよう取り組む」とした。
  • 【北千葉道、県手続き後迅速に】
    石井一美議員は、北千葉道路西側区間(市川-船橋)の国による事業着手時期を聞いた。

    国は直轄と有料道路事業を組み合わせて施工する計画。森田健作知事は、必要な都市計画や環境アセスメント(影響評価)の手続きを県が進めているとし「事業着手時期は明確にされていないが、(県の)手続き完了後、速やかに事業化されるよう沿線市と連携して働き掛ける」と強調した。

    都市計画は案の概要を示しており、環境アセスは準備書作成に向け、現地調査を実施している。
  • 【県補助、千葉市も対象に新設】
    阿部紘一議員は、県と千葉市の連携協力や、県から同市への補助金の必要性を指摘した。

    今泉光幸総務部長は、同市が権限の大きい政令指定都市に移行後も県単独補助金の対象として協議してきた経緯を説明。

    「昨年度は緊急輸送道路の沿道建築物の耐震診断などについて同市も対象に含めた補助事業を創設。本年度も産業用地確保など5事業について、同市・市内の事業者・団体を含めた新たな県単独補助事業を創設している」と報告し、一層緊密な協力関係を築くとした。