平成29年9月定例県議会 代表・一般質問質疑内容を掲載

9月21日(木) 第1日(代表質問)

  • 【循環器病院、在り方多角検討】
    松下浩明議員は、千葉県循環器病センター(市原市)と、千葉市に再整備する県救急医療センターとの連携的な統合を促した。

    循環器病センターでは千葉大から派遣の医師2人が東千葉メディカルセンター(東金市)に異動し、10月から脳神経系の救急患者の時間外受け入れを週3日に制限する。専門医の数が限られ、後任の確保が困難という。

    松下議員は、周辺に複数の救命救急センターができた中で、県全体の拠点として専門医療を続けるには移転統合による機能強化が必要と指摘。

    滝川伸輔副知事は「県民が求める高度専門的医療を効率・効果的に提供することは非常に重要。循環器病センターの在り方について、さまざまな角度から検討を進める」と答弁。統合も検討対象になり得ると示唆した。

9月25日(月) 第3日(一般質問)

  • 【北千葉道西側、早期事業化へ】
    石井一美議員は、北千葉道路の西側区間の事業化に向けた取り組み状況を聞いた。

    森田健作知事は「北千葉道路は外環道と成田空港を最短で結び、災害時の緊急輸送として機能する大変重要な道路」などと指摘。

    6月の道路協議会は、県が都市計画、環境アセスメント手続きに着手することを確認。森田知事は「必要な図書を作成している。沿線市と連携し、国の協力を得ながら速やかに手続きに着手し、早期事業化に向けて取り組む」と述べた。
  • 【フレックス工期の対象拡大】
    三沢智議員は、建設業の経営を安定させるための工期平準化の取り組みを確認した。

    野田勝県土整備部長は県発注工事で「今年1月から柔軟な工期設定ができるフレックス工期契約制度の対象を全工事に拡大した」と報告した。

    県県土整備政策課によると、同制度を利用することで、契約前に必要な現場代理人の確保が最大90日後まで猶予される。県が前年度に契約を結ぶ債務負担行為の実施と合わせ、年度替わりで工事が少なくなる4~6月の着工を増やせるという。

9月26日(火) 第4日(一般質問)

  • 【駅安全対策、一刻も早く】
    臼井正一議員は、海浜幕張駅の安全対策としてホームドアなどの整備が必要と訴えた。

    遠山誠一総合企画部長は「同駅は改札口が1カ所のため、通勤時間帯などにホームから改札口までの動線に人の滞留が生じている。抜本的解決には改札口や階段の増設などが必要」と答弁。

    また、「混雑時の安全対策としてホームドアの整備も必要」とした上で、「今後も千葉市など関係団体と連携し、一刻も早く改善を図るよう強く働き掛けていく」と述べた。
  • 【水門用地、当面の活用法検討】
    佐藤正己議員は、新習志野駅南側の千葉県有地(水門整備予定地)の有効活用策を求めた。

    同地(約6900平方メートル)は菊田川の水門用地として1985年から県が保有するが、現在は資材置き場に使っている。

    野田勝県土整備部長は「高潮対策として将来的には水門整備が必要と考えている」と説明。その上で「利便性に優れることから(水門用地の)用途や目的を妨げない範囲で、地元市などと当面の有効活用の方法を検討していく」と答弁した。貸し出しも想定される。
  • 【神崎-大栄、交通量が倍増】
    戸村勝幸議員は、茨城県側全線開通に伴う圏央道の神崎-大栄間の利用状況を確認した。

    茨城全線開通は今年2月。野田千葉県県土整備部長は茨城と結ぶ神崎-大栄間の6月の交通量が「1日平均約1万4千台で、2015年6月の神崎-大栄間の開通直後と比べ2倍以上に増加した」と報告した。15年6月は1日6300台だった。

    成田空港と北関東を結ぶ高速バスの一部も都心ルートから圏央道ルートに変更。神崎インターチェンジ周辺には国が休憩施設の設置も検討中。
  • 【五輪GAP研修、参加2倍】
    石橋清孝議員は、東京五輪の食材の調達基準となるGAP指導員の育成状況を聞いた。

    千葉県安全農業推進課によると、GAP(農業生産工程管理)の審査資格保有者を講師に招き、座学と現場実習を行った。認証取得には農薬の安全使用や肥料の適正使用など約40項目の審査に合格する必要がある。

    伊東健司農林水産部長は「指導員研修に農協職員も加わり、参加者は昨年度の倍を超える46人になった。テスト産地での指導や相談に当たっている」と報告した。

9月27日(月) 第5日(一般質問)

  • 【小学英語へ教員29人採用】
    中沢裕隆議員は、小学校の英語授業に向け、専門性を有する教員の確保が必要と訴えた。

    内藤敏也教育長は、来年度から小学校で英語授業が導入されるに当たり「2016年度実施の教員採用選考から小学校英語教育推進枠を設け、英語の免許状も有する専門性の高い教員確保に努めており、17年度は29人採用した」と報告。

    今後は「各市町村や学校の状況に応じ、中学校の英語教員を人事異動や兼務させることにより小学校に配置することも進める」とした。
  • 【新規就農、支援強化図る】
    木下敬二議員は、地域農業の振興へ担い手の育成支援が重要な課題と指摘した。

    伊東健司農林水産部長は千葉県の新規就農者数は10年前に比べ約2倍の年間400人程度と報告。「千葉県農業の担い手として定着させていくことは重要」と答弁した。

    2013~15年度の県調査によるとUターン、Iターンによる就農者は約千人、うち自営就農613人、営農継続は576人、定着率94%。「市町村と連携し新規就農者へのサポートの充実強化を図る」と述べた。

9月28日(月) 第6日(一般質問)

  • 【保育士給与増5市4万円超】
    山本義一議員は、保育士処遇改善事業の市町村の取り組み状況を聞いた。

    千葉県の飯田浩子健康福祉部長は、本年度から同事業の実施意向を示している41市町の給与への上乗せ額を報告。

    市町村が独自に実施している処遇改善事業と合わせた上乗せ額は「27市町が2万円、9市が2万円を超え4万円以下、5市が4万円を超える見込み」とした。

    県子育て支援課によると、上乗せが4万円を超えるのは市川、船橋、松戸、柏、浦安。
  • 【知事訪問の開拓先4国軸に】
    茂呂剛議員は、知事による海外での産品・観光誘致トップセールスの開拓先を尋ねた。

    森田健作・千葉県知事は「魅力の浸透が期待できるため、これまで台湾、タイ、マレーシアで継続的に実施してきた」と説明した上で、一層の誘客や販路拡大には新たな国での取り組みも重要と強調。

    「交流進展が見込まれる国として県の国際戦略で(ターゲットに)示したインドネシア、シンガポール、フィリピン、ベトナムといった国を中心に、今後の対象国を検討していく」と述べた。
  • 【酒々井IC利用台数8割増】
    五十嵐博文議員は、酒々井インターチェンジ(IC)の利用状況と今後の見通しを尋ねた。

    千葉県の森田健作知事は「今年8月の出入り交通量は一日平均約1万600台で、開通当初から8割増加し、年々交通量が増えている」と報告した。

    同IC周辺では大規模商業施設の新規出店や拡張が進んでいると指摘。今後の地域活性化にも期待した。

    同ICは高速道路へのアクセス向上や地域経済活性化のため、2013年に県が主体となって設置した。