2月22日(火) 第1日(代表質問)
- 【確保した病床効果的に運用】
伊藤昌弘議員は、新型コロナウイルス感染に対応した病床確保状況や、地域経済活性化など幅広いテーマを質問した。
熊谷俊人知事は、現時点で県内の病床確保計画は「フェーズ2B」で即応病床が1694床、うち重症120床と説明。臨時医療施設についても3カ所目が開所しており「感染規模が非常に大きいことを踏まえた病床の確保、運用を行い、感染状況に対応できるよう確保病床の効果的運用に努める」と強調した。
地域経済活性化への対応では「新年度中をめどに、県の中小企業振興の基本方針『ちば中小企業元気戦略』の策定を目指す」と意欲を示した。中小企業や経済団体と意見交換を踏まえ、現在の第4次戦略を見直して新たに「第5次戦略」を策定する方針。
2月25日(金) 第3日(一般質問)
- 【資料省き「議論中心」に改善】
田中幸太郎議員は、県庁の業務改善への取り組みや運転免許交付の簡略化を質問。
熊谷俊人知事は、県庁の業務改善へ「個々の能力や意欲等を引き出せる職場風土が必要。政策協議では資料作成の手間を極力省き、議論中心を心掛けた」と転換。今後も議論の活発化を図り「業務改善意識を高め効率化に取り組む」と述べた。
免許交付では田中俊恵県警本部長が、事前予約システムや申請自動受け付け機の導入を進め「負担軽減へ手続きの簡素・合理化を図る」とした。
- 【海岸漂着物2市で65トン処理】
三沢智議員は、海岸漂着物対策や、館山市内の通学路安全対策などを質問した。
吉野美砂子環境生活部長は「本年度は館山、鴨川市で漂着物計65トンを処理した。年度末までに南房総、木更津市など4市でも予定している」と説明。流木や漂流ごみの処理を、市町村と連携して計画的に進めるとした。
通学路の安全対策で池口正晃県土整備部長は「館山市内で県が行うのは路面のカラー舗装など38カ所。年度内に全てで完了を見込む」と見通しを示した。
2月28日(月) 第4日(一般質問)
- 【多頭飼育解消へ福祉支援も】
鈴木ひろ子議員は、ペット多頭飼育への対応や東京湾漁業の「貧酸素水塊」対策を質問。
井口豪保健医療担当部長は「苦情を受理した際には現地を確認し、適正な管理方法を指導している」と説明。また、多頭飼育者が抱える経済的困窮等の課題解消へ「今後は市町村の社会福祉部局とも積極的な情報共有を図っていく」と述べた。
貧酸素水塊対策では、熊谷知事が「影響を受けにくい場所への貝類の移植試験や、覆砂による漁場造りを漁業者と協同して進めていく」とした。
- 【値下げの北総鉄道経営努力】
瀧田敏幸議員は、北総線など鉄道問題や教員採用選考の現状について聞いた。
10月実施予定の北総鉄道値下げに関し、鎌形総合企画部長は北総鉄道の経営状況に言及。2021年度上期決算は前年度同期比7%増、純利益19・5%増ながら「感染拡大前の19年度同期より純利益は41・4%減と厳しい状況。一層の経営改善に努めている」と述べた。
冨塚教育長は「教員志願者は減少傾向で、17年度7213人が21年度5271人で27%減」と厳しい状況を明かした。
3月1日(火) 第5日(一般質問)
- 【空港周辺将来へプラン改定】
實川隆議員は、成田空港機能強化を見据えた地域づくりやDXの取り組みを質問。
熊谷俊人知事は「新年度当初予算案に『成田空港を活かした持続可能な地域づくり検討事業』を計上した。空港周辺地域の具体的な将来像を描き、実施プランを見直していく」と表明した。
DX推進に関するキャッシュレス決済について石川徹総務部長は「ペイジーによるキャッシュレス決済を導入することとし、新年度に一部県立学校の入学検査料納付で利用開始予定」と述べた。
- 【特支新設で教育環境充実へ】
宍倉登議員は、27年度までに開校する千葉市花見川区の特別支援学校の効果を質問。
冨塚昌子教育長は「同校は小中高等部を置き、約190人を受け入れ予定。公立中学校が隣接しており共同学習も期待できる」と指摘。また新設の効果として、既存の千葉、八千代の特支2校での教室の合同使用等が解消し「ゆとりある教育環境となり、学習の充実が図られる」と説明した。
一方、小中の水泳授業について「27市町92校が民間・公営プールを利用している」と報告した。
- 【県道全線開通のめど立たず】
秋本享志議員は、県道千葉ニュータウン北環状線の全線開通に向けた現状を聞いた。
道路予定地に蓄積されていた大量の産廃問題について田中剛企業局長は「道路工事と併せて処理するが、撤去に伴う騒音や振動で隣接事業者との補償交渉が妥結に至っていない」と説明。
さらに「2015年12月以降工事を中断している状況」と述べ、全線開通のめどは立っていないとした。工事の再開に向け、委託先のUR(都市再生機構)と協議を進めているという。
3月2日(水) 第6日(一般質問)
- 【河川氾濫推定図、完成見込み】
斉藤守議員は、19年豪雨を受けた県内小規模河川の氾濫推定図の作成状況等を質問。
池口正晃県土整備部長は「小規模の91河川の氾濫推定図について3月末までに作成が完了する」と報告。大規模被害が想定される26の「水位周知河川」は公表済みで、県内ほぼ全ての河川を網羅する推定図が完成する。
また、冨塚昌子教育長は、県内に125校ある「不登校児童生徒支援推進校」以外の学校に対し「不登校への対応状況調査を行い、現状把握に努めている」と説明した。
- 【性暴力被害者への支援拡充】
宮坂奈緒議員は、性犯罪・性暴力被害者への支援や行政手続きのオンライン化を質問。
熊谷俊人知事は、被害者支援について「現在策定中の計画では重点課題の一つに掲げている」と報告。県内2カ所の支援センターに対する公費負担は「来年度はカウンセリングを3回から5回まで、性感染症検査を1回から4回までにそれぞれ拡充したい」と述べた。
また、石川徹総務部長は「申請件数が多い約600の手続きについて22年度から3年間でオンライン化を図る」とした。
- 【飲酒運転根絶へ連絡協開く】
山本義一議員は、飲酒運転根絶への取り組みや鳥インフルエンザ対策などを聞いた。
熊谷知事は1月に初開催した県飲酒運転根絶連絡協議会に触れ「効果的な事例の共有やアルコールチェックなど企業の取り組みの意見が出た。定期的に開き飲酒運転根絶への意識醸成、環境づくりに取り組む」と強調。
舘野昭彦農林水産部長は鳥インフルで殺処分した鶏の埋却に「八街で予定した土地で埋却できなかったケースがあり実効性の高い埋却地確保へ指導していく」と述べた。
- 【鋸山の日本遺産認定へ支援】
𠮷本充議員は、鋸山の「日本遺産」認定に向けた県の支援や水産振興を取り上げた。
日本遺産候補に選ばれた鋸山の認定に向け、冨塚教育長は「県指定名勝の鋸山を国指定名勝となるよう学術的な調査・研究を地元市町に促すとともに専門的見地から指導、助言を行う」などとし「ストーリーの再構築」へ支援すると述べた。
舘野農林水産部長は「水産資源の持続的利用へ漁獲報告システムやICT搭載ブイなど活用する」と述べ、スマート水産業を推進するとした。