「千葉県新型コロナウイルス感染症に係る臨時の医療施設の開設等の迅速化及び円滑化に関する条例案」の趣旨説明 | ちば自民党

「千葉県新型コロナウイルス感染症に係る臨時の医療施設の開設等の迅速化及び円滑化に関する条例案」の趣旨説明

 新型コロナウイルス感染症(以下で「本感染症」といいます)、は、感染拡大を続け、今も収束の見通しがはっきりしない状況にあります。

 現在のところ、確立された特効薬やワクチンはなく、感染拡大防止策は、基本的には、県民ひとりひとりの協力による行動変容にかかっています。

 現在、県民一丸でこれに取り組んではいるものの、この防止策の限界は否定できませんので、医療体制の整備を着実に進め、本感染症以外の疾患にも影響を与える医療崩壊を何としても防ぎ、県民の命を最優先で守っていかなければなりません。

 すなわち、感染爆発までをも視野に入れた、医療体制の整備は、本県の最優先課題であります。

 この点は、22日の国の専門会議の提言においても、「入院施設が逼迫している都道府県においては、必要に応じて・・・臨時の医療施設の枠組みを用いることも視野に入れ、早急な対応を講ずるべき」とされ、「都道府県知事」らに対しては、「今まで以上の強いリーダーシップが求められる。」と指摘されているところです。

 県当局の予算案では、1000床規模での臨時の医療施設を、5月中旬を目途に、幕張メッセ等を想定して計上されていますが、本条例案は、県当局が開設を判断した時点で、出来る限り速やかに開設ができるように、必要となる準備の後押しを、議会側からするものです。

 そこで、本条例案では、新型コロナウイルス等感染症対策特別措置法の第48条等を踏まえつつ、迅速かつ円滑な開設につなげるための規定として、①条例の目的の他に、②本感染症の特性を踏まえた行動計画への県当局の柔軟な対応、③その他関係法令の適切な活用、④プラン策定や人材・資材の確保等の迅速な準備、⑤人的物的資源の集約化・効率化を図る工夫、⑥必要な財政措置、及び⑦状況に応じた条例の見直しなどを設けています。

 また、臨時の医療施設の規模については、予算案のような大規模なものから、発熱外来診療を専用に行う簡易な施設に至るまで、感染状況とニーズに応じた柔軟な選択を、広く想定しています。

 そして、現在、県内の多くの医療機関が、本感染症への対応で、大変厳しい状況に置かれていると伺っています

 そこで、関係者の負担軽減に少しでも繋がるように、本条例の制定を通じて、改めて、県民の皆様が、本感染症への深刻な危機意識を持っていただき、行動変容への御協力を求めたいと思います。

 また、事案の緊急性から、県当局においては、本条例案の提出を見据えて、既に先行した準備を開始しているはずですので、改めて、本条例制定後における、迅速な計画の策定と準備を、着実に進めるように求めます。

 そして、何よりも、感染拡大防止策が功を奏し、臨時の医療施設が開設されることなく、終わることを、望むものですが、アメリカ疾病対策センターの所長等が警告するような、感染拡大の第2波・3波・4波や新たな感染症など、もっと先の将来への備えとしても、今回の試みを活かし続けることができる工夫を、併せ持っていただくように、申し添えます。

 なお、我が党は、本感染症の党対策本部で策定した本条例案と併せて、後ほど、国への意見書案、及び県当局への要望を含む決議案を提出する予定です。

 そこでは、本感染症により、県民生活や事業活動等が深刻な影響を受けていることを踏まえて、国に対し、対策全般への十分な支援や立法措置の検討を求めることや、また、県当局において、予算案にも計上させている中小企業支援や独自の支援策の構築など、主導力を発揮した対策を迅速に進めることを、求める内容となっています。

 我々、議会側もしっかりと協力していく内容です。

 最後に、今この瞬間においても、最前線で本感染症に立ち向かっている医療従事者をはじめとする、全ての関係者各位に対し、深く敬意と感謝を申し上げるとともに、県当局と一丸となって全力で対策に取組み、本感染症に必ずうち克つ決意を表明し、本条例案の趣旨説明とさせて頂きます。