平成18年2月定例県議会ちば自民党 代表質問・一般質問中の質疑内容を掲載しました

2月定例県議会 質疑並びに一般質問

 

3月7日(火)第1日目(代表質問)

斎藤 万祐(夷隅郡選出)
【今年度の県予算 赤字回避見通し】
斎藤議員は、財政問題や千葉都市モノレール事業など、県政全般の問題を取り上げた。
堂本暁子知事は、新年度予算案は県税は増収見通しだが交付税が減額されるため厳しいと説明。その中で、「事業の仕分けや指定管理者制度の導入などで事業選択を図った」と述べた。
今年度収支には「概ね均衡する見通し」と赤字回避との展望を示した。
モノレール事業から撤退するための「和解」議案を提案したことには、「県、千葉市、会社が果たす役割の全体像を示すことができるため適切と判断した」と述べた。
また、斎藤議員の「県の筆頭部が総合企画部なのはおかしい。総務部に戻すべき」との指摘には、「新年度も総合企画部を筆頭部としてやりたい」と現状維持する考えを述べた。

3月9日(木)第3日目

伊藤 丈(山武郡選出)
【圏央道の整備へ 都市計画案作成】
伊藤議員は、成田空港に関する騒音問題への対応のほか、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の整備などについて質問した。
青山俊行県土整備部長は、圏央道の大栄町~横芝町区間(十八・五キロ)の整備について、「ルートや構造などの検討をしてきた国土交通省から事業計画概要が示され、県で都市計画原案の作成を進めている」と説明。さらに「関係する町で都市計画説明を開催している」と述べた。
また、インターチェンジの整備については「当該事業計画の中で、芝山~多古町境の国道296号を含む二カ所の設置が示されている」と説明した。

西尾 憲一(船橋市選出)
【高齢者の孤独死 05年は714人】
西尾議員は、都市部で顕在化する高齢者の孤独死について、県内の状況と県の対応をただした。
山口忠則健康福祉部長は「六十歳以上の独居高齢者」との前提で、〇三年は七百六十三人、〇四年が六百九十六人、〇五年は七百十四人の孤独死があったことを報告。
県対応としては「地域ぐるみの取り組みが不可欠。地域住民が問題を把握し、対策手法を主体的に考え、実践する事業を〇六年度からモデル事業として行う」と述べた。
西尾議員はまた、県内で「もったいない運動」の展開を提言。堂本知事は「農家などが汗を流して作られる食を大事にすることを県政の中心に置いていく」と答えた。

谷田部勝男(佐原市選出)
【06年度の看護師 2400人不足】
谷田部議員は県内の医師、看護師の不足状況と確保対策について聞いた。
堂本知事は「今月中に臨床研修病院と医師会で作る協議会を立ち上げ、研修医の県内定着に向けた方策を検討する」としたほか、新年度は新たに医師バンクを設置、女性医師の職場復帰などを支援すると答えた。
山口健康福祉部長は、今後五年間の県内看護師の需給見通しを報告。〇六年度は約二千四百人、一〇年度も約八百人が不足することを明らかにした。
医師不足が深刻な県立佐原病院について、崎山樹病院局長は「地域の中核病院が無くなることはあり得ない」と述べた。

3月10日(金)第4日目

臼井 正人(千葉市中央区選出)
【企業庁貸付土地 優先分譲は困難】
臼井議員は、企業庁による事業用借地について、借り主への優先分譲を検討すべきなどとした。
堂本暁子知事は、工業団地と幕張新都心での有償貸し付け土地の現状について、総面積約百三十ヘクタール(二月末)、時価総額八百三十億円(昨年三月末)と報告。
また「可能なものは分譲を進めたいが、現行の借地制度は土地返還を担保し、土地利用を活発化させる仕組み。優先的に購入権を認めるのは大変難しい」と答えた。
臼井議員は「制度を変えてでも早期売却を検討しないのは、優良資産や同庁を温存する意図があるのではないか」などと厳しく迫った。

湯浅 伸一(成田市選出)
【物流基地事業で 07年度方策決定】
湯浅議員は、地元成田市に関する北千葉道路・成田新高速鉄道の整備や、成田国際物流複合基地事業などを質問した。
北千葉道路整備について堂本知事は「分断される農道の機能保障では、農作業に支障をきたさないよう付け替え道路を設ける」と答弁。景観についても「設計に、専門家による検討会を実施するなど、影響を低減するよう配慮した」などと説明した。
また、物流基地事業に二野宮淳吉企業庁長は、「北側では用地取得の難航などで事業を休止している。今後は新経営戦略プランに基づき、二〇〇七年度末までに最も有効な土地利用の方策を決定していく」と述べた。

吉本 充(富津市選出)
【条例施行で教育 現場の混乱ない】
吉本議員は、障害者に関する条例案に特に力を入れて質問。所属する自民党は既に継続審査の方向としているものの、懸念される具体例を指摘しながら「条例施行で教育現場は混乱すると考えるが、知事はどのような認識か」などと迫った。
堂本知事は「条例案は就学指導の仕組みを定める現行法を前提にした上で、障害者本人や保護者の意向に十分配慮し、理解を得ることを求める趣旨。教育現場で混乱を生じさせるものではない」など問題ないと断言。
さらに、「答弁は、県と県教委の両方が納得した内容。教育現場に混乱を招く懸念があるなら、県教委が納得するはずがない」と畳み掛けた。

3月13日(月)第5日目

木名瀬捷司(野田市選出)
【合併がそのまま 県づくりの認識】
木名瀬議員は、市町村合併で誕生した新市・町への県支援策を質問。
堂本暁子知事は「新しいまちづくりプランに基づいた支援をする」として、(1)県事業の重点施策による一体的なまちづくりへの支援(2)一部県負担による職員の派遣等による人材支援(3)合併支援交付金、市町村振興資金による財政支援—を挙げ、「合併がそのまま県づくりとの認識で、全庁挙げて支援する」と答えた。
東武野田線の連続立体事業の進ちょく状況では、青山俊行県土整備部長が「現在、高架橋、駅舎の設計、費用負担割合を国、鉄道事業者、市と協議中で、協議が整い次第早期に事業認可を取得したい」と述べた。

岡田 啓介(鎌ヶ谷市選出)
【東葛の道路改善 骨格道路不可欠】
岡田議員は、沼田知事時代に策定、県内のどの地域からも県都・千葉市まで車で一時間で到着できるよう道路を整備する「県都一時間構想」を取り上げた上で、「東葛地区は改善されていない」としてその理由を質問。
青山県土整備部長は、「道路の整備効果が交通量の増大に打ち消され、改善が進んでいない」と答弁。国道一六号・千葉柏道路など骨格道路の整備が不可欠—とした。
議会との連携での質問で堂本知事は「県民の一人ひとりの幸せに着実に結びつくように、議会と連携して県政運営する」としたが、情報公開で岡田議員は「議会に対してすら必要な情報が入ってこない」と批判した。

阿部 紘一(千葉市稲毛区選出)
【生活習慣病対策 予防医療を研究】
阿部議員は、医療問題などについて現状と今後の県の対応などを質問。高齢社会が見込まれる県内での、生活習慣病対策の必要性も指摘した。
山口忠則健康福祉部長は、生活習慣病対策について、「千葉県は、全国二位のスピードで人口の高齢化が進みことが見込まれ、国の医療制度改革で医療費適正化に向けた都道府県が担う役割が財政面を含めて強化されることになった」などと現状を説明。
その上で、「生活習慣病対策は重要な課題で、衛生研究所とがんセンター研究局の一体整備で、県民一人ひとりの体質や状況に応じた予防医療の研究を目指す」考えを示した。

篠塚 年明(香取郡選出)
【生涯現役社会へ 総合計画づくり】
篠塚議員は、人口減少社会の中で、「『生涯現役社会づくり』のプランを作成すべき」などと求めた。
堂本知事は、今年度に県が行った団塊世代への調査では約八割が定年後の就労を希望した一方、企業側では高年齢者の活用などで課題があると答えたことを取り上げ、「マッチしていない」と現状を説明。
対策として(1)企業への高年齢者の採用・活用の促進(2)高年齢者のキャリアに応じた再就職支援態勢の整備—などを図るとし、「総合的なプランづくりを進めていきたい」と方針を明らかにした。
さらに、企業への働き掛けも行っていく考えを説明した。

 

(千葉日報3月8日、10日、11日、14日付けの記事を転載しました)

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