平成17年12月定例県議会ちば自民党 代表質問・一般質問中の質疑内容を掲載しました

12月定例県議会 質疑並びに一般質問

 

12月6日(火)第1日目

伊藤 勲(富里市選出)
【第2湾岸道整備 早期調査要請へ】
伊藤議員は、財政問題や三番瀬、吹き付けアスベストの産業廃棄物対策など計十五項目について、県の考えを聞いた。
堂本暁子知事は今年度の年間収支見通しについて「今議会に提案した給与改定を実施すると、その分の十億円が不足する」と答弁。
三番瀬では、市川市塩浜の護岸整備など緊急性の高い事業は進めるとする一方、第二東京湾岸道路については「再生計画の策定後、できるだけ早期に調査検討されるよう国に働きかけたい」とした。
今後、建築物の解体により廃棄がピークを迎えるアスベストについて、大槻幸一郎副知事は「飛散性アスベストを埋め立てられる処分場は二カ所、残余年数は十三年」と県内の処理能力を推計。「国に計画的な設置を要望している」とした。

 

12月8日(木)第3日目

田中 豊彦(茂原市選出)
【公共工事の確認 体制強化を検討】
田中議員は、耐震強度偽造問題を踏まえ、公共工事の設計・工事の確認体制などを質問。また、市町村合併については、合併新法で知事の権限が強化されたことを受けて、堂本暁子知事に対し権限を積極的に行使するよう求めた。
耐震強度偽造問題に加え、国交省から道路工事を請け負った事業者が検査の際に提出した写真を改ざんしたことが発覚するなど、建設への信頼が揺らいでいるため、青山俊行県土整備部長は「改ざんは工事の品質を確保する観点から重大な問題。現場立ち入り回数の増加や改ざんしにくいネガフィルムに変えるなど。検査体制の強化を検討する」と述べた。

岡村 泰明(四街道市選出)
【ラムサール条約 「二湾」と整合】
岡村議員は、三番瀬問題でラムサール条約と第二東京湾岸道路(二湾)の整合性などを質問。
堂本知事は「条約登録の前提として環境省の鳥獣保護区の指定がある。二湾との整合性についてはその手続きの先の作業」と答弁。さらに「二湾は必要であると再三言ってきた」とも強調、登録に伴う公共事業の制約を否定した。
また、先の再生会議で示された、市川・塩浜の護岸改修について、青山県土整備部長は「石積みは法律的には”埋め立て”ではない。海域を狭めない原則からすれば、コンクリートで固めることも可能だが、環境上の目的から石積みに決定した」と説明した。

服部 友則(八千代市選出)
【団塊世代の活用へ 就業意識調査実施】
服部議員は、八千代市内の道路整備や県立広域公園計画、雇用問題で県の見解を質問した。
二〇〇七年から大量退職期を迎える団塊世代の活用で、堂本知事は「どれだけ能力を発揮できるかが大切」として、退職後の就業意識などを把握するアンケート調査を行っていることを報告。その結果に基づき、「シニア世代の人材活用、就業支援のあり方を検討する」と答えた。
広域公園計画では、石渡哲彦総合企画部長が答弁。県、市による合同検討会議で「住民が利用できる環境を早期に提供」「利用者ニーズを効果的に反映する仕組みが大切」などが重要課題としての共通認識とした。

 

12月9日(金)第4日目

山中 操(千葉市選出)
【コンビニ収納で自動車税納付増】
山中議員は、県税問題などを取り上げ、自動車税のコンビニエンスストアでの収納制度を導入した効果などを質問した。
堂本暁子知事は、「今年度から導入したコンビニ収納により課税収納状況は十月末時点で、前年度と比べて0・4%の向上、額にすると十八億七千万円の増収となった」と説明。特に納期内納付が1・8%向上したことや、期限後の収納でも、「コンビニ収納の効果があった」と述べた。
また、滞納者に対しては厳しく対応する姿勢をあらためて示し、「自主納付の見込めない滞納者には、預貯金などの財産調査、差し押さえを徹底するなど効果的な滞納整理を進める」とした。

 

宇野 裕(八日市場市選出)
【中期計画の提示 年開けに延期へ】
宇野議員は、堂本知事が財源・期限などに裏付けられた中期計画を示していないと追及。「あすのちばを拓(ひら)く10のちから」は理念にすぎず、中期計画には当たらない—などと指摘した。
堂本知事は、宇野議員の求める計画には「分権型社会の実現に向けた構造改革が進む大きな転換期には、従来のような網ら的な中長期計画を策定するのは困難」と答弁。
中期計画「あすのちば|」の改定版の提示時期については、「九月議会では年内に示すと答弁したが、三位一体改革など県政に大きく影響を与える国の制度改革の動向を注視することにしたため、年度内には示す」と時期の延期を表明した。

 

石橋 清孝(東金市選出)
【山武医療構想に支援惜しまない】
石橋議員は、山武地域医療センター構想への県の支援、米国産牛肉の輸入再開に当たる県の対応などを聞いた。
堂本知事は「構想実現までの間、あらゆる方法で東金病院の医師確保や施設改修に努める」とする一方、センター構想については「地域の中核病院として機能するよう、経営、財政など包括的支援を惜しまない」と答弁。
川島彰比古農林水産部長は「消費者の安全確保が最重要」とし、先月二十二日に厚労省と農水省に対し、BSEに関する正確な情報提供、外食産業における原産国表示の仕組みを整備することなどを要望したことを明らかにした。

 

渡辺 芳邦(木更津市選出)
【市町村合併二幕「勧告も辞さず」】
渡辺議員は、市町村合併に対する知事の姿勢、東京湾アクアラインの利用率向上などについて質問した。
合併推進構想策定で積極姿勢を求められた堂本知事は「平成の合併は地方分権。基本は地域住民の納得と市町村の取り組みだ。最後の段階では勧告も辞さないが、主体性を大事にしたい」と述べた。
青山俊行県土整備部長は、今夏実施されたアクアラインの料金還元キャンペーンについて「前年同期より13%利用が増え、促進が図られた」との認識を示した上で、「検討委員会で効果を推計しながら、引き続き料金引き下げに取り組む」と答弁した。

 

12月12日(月)第5日目

臼井 正一(千葉市選出)
【企業庁土地分譲 住民理解へ努力】
臼井議員は、私学助成について全国平均への引き上げを求めたほか、土地分譲にまつわる企業庁の姿勢をただした。
堂本暁子知事は「私学助成を全国平均に近づけるよう最大限の努力をしたいが、財源不足で許されない」などと理解を求め、来年度予算については「まだ収支が明確にできず、具体的なことは言えない」とした。
二野宮淳吉企業庁長は、美浜区幕張西地区で公益施設用地の分譲からマンション建設をめぐる住民トラブルに発展した例に対し、「今後、分譲をする際は、文書による説明や案内看板の設置など周辺住民の理解を得るよう効果的な周知に努めたい」と答えた。

 

内田 秀樹(浦安市選出)
【三番瀬再生事業 地元と十分協議】
内田議員は、国道357号のゴミ問題の現状認識と対策、三番瀬再生にかかる財政見通しなどを質問した。
青山俊行県土整備部長は「浦安市内の交差点などを中心に植栽や高架下にゴミの投げ捨てが多い。道路利用者のモラルに委ねられるが、景観や安全性を損ねることがないよう、県も関係機関に申し入れる」と答弁。
松原延治戦略プロジェクト担当部長は「三番瀬再生計画案は事業費にとらわれず、再生のあるべき姿を示している」とした上で、「今後、県の事業を中心に策定する計画の中で、制度上、地元市負担が生じる場合もあるが、十分に市と協議する」とした。

 

大塚 堯玄(流山市選出)
【江戸川新橋整備 有料道路制度も】
大塚議員は、つくばエクスプレス(TX)沿線整備事業や、都市軸道路(江戸川新橋)など、早期建設を進めるべきとの立場で質問した。
江戸川新橋に青山県土整備部長は、「県財政が厳しい中、早期建設のために有料道路制度を活用するのは有効な事業手法の一つ。県境に架かる橋ということもあり、事業手法等について埼玉県や関係機関などと調整を図っていきたい」と述べた。
TX沿線整備に堂本知事は、「TXの開業を契機に地域間競争が激化する。投資効果が早期に出るような地域で集中的、効果的に整備するなど、早期完成へ事業推進に取り組む」とした。

 

密本 俊一(佐倉市選出)
【雨水の貯留施設 印旛沼全流域へ】
密本議員は、印旛沼の水質浄化を中心とした環境問題と、障害者問題などを取り上げた。
青山県土整備部長は印旛沼周辺での雨水の貯留・浸透施設について「(佐倉市を流れる)高崎川流域の三県立高校に設置している。雨水の流出抑制や、地下にしみ込ませる効果も期待できるため、印旛沼流域全体に拡大していきたい」と答弁した。
障害者差別をなくす取り組みとしての条例について、堂本知事は「協議会で基本理念について、障害者がその人らしく地域で暮らせることなどを盛り込むべきとしており、踏まえながら策定していく」と述べた。

 

(千葉日報12月7日、9日、10日、13日付けの記事を転載しました)

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