11月29日(水) 第1日(代表質問)
- 【金属類盗難多発で条例検討】
小池正昭議員は、金属類の盗難事件の認知件数と摘発状況や、千葉市内にある知事公舎の今後のあり方について質問。
今年の金属類盗難の認知件数は10月末までで1337件で、前年同期に比べ622件増加している。一方、摘発件数は181件で35件減少。グレーチングなどの盗難が急増しており、県警は対策を強めている。
宮沢忠孝県警本部長は、金属スクラップなどの再生資源を買い取る業者を規制する条例の制定を検討していると答弁。「営業の許可制などを考えている」とした。
築50年以上の知事公舎について、穴沢幸男副知事は「居住機能を廃止し、当面は県の賓客対応の場として活用を続ける」と回答。隣接する副知事公社は廃止して解体する方針を示した。
11月30日(木) 第2日(一般質問)
- 【病院清掃、契約金額が上昇】
三沢智議員は、県立病院清掃業務委託を一括入札とした理由について質問した。
県病院局は9月、清掃の質の確保と価格低減を狙い、県立5病院の清掃業務の一括入札を実施。都内の会社が3年間計約10億円で落札した。本年度末までの現行契約は個別の入札で、計約8億円の契約となっている。
金額上昇の要因について、山崎晋一朗病院局長は「病院清掃は質の確保が重要で、総合評価方式で入札を行ったため。材料費の高騰もあった」と説明した。
- 【東葉高速の取り組みに協力】
中村実議員は、東葉高速鉄道の経営安定化の取り組みや多様性条例案について質問。
同鉄道は1日平均で約14万人が利用。建設時に有利子負債を抱え、約2300億円の長期債務を抱えている。冨沢昇総合企画部長は「同鉄道は企画乗車券の発売などで収入確保に努めている。県も取り組みに協力していく」と話した。
条例制定の必要性については「グローバル化の進展など、さまざまな社会環境に対応するには多様性がもたらす活力や創造性が重要」と述べた。
12月1日(金) 第3日(一般質問)
- 【九十九里や内房で詳細調査】
高橋秀典議員は、ナガエツルノゲイトウ対策や園芸農業者への支援を質問。
特定外来生物「ナガエツルノゲイトウ」の農業水路での繁茂抑止などに向け、熊谷俊人知事は「特に拡大しつつある九十九里・内房エリアを中心として今月中に現地で詳細な調査に着手する予定」と述べた。
生産面積拡大や収量・品質向上に必要な園芸用ハウス整備などの支援では「本年度は11月末時点で昨年同期比33件増の延べ170件の農業者や団体に助成した」とした。
- 【高校にドローン学科を検討】
鈴木ともなり議員は、地域性を踏まえた高校教育や市原保健医療圏について質問。
県教委は姉崎高校ものづくりコースなど、これまでに地域の特性を踏まえたコースを県立高校に導入。冨塚昌子教育長は「新技術に触れることは進路選択にも役立つ。ドローンを活用した学びも検討していく」と答弁した。
県平均と比べ訪問診療実施医療機関数が少ない同医療圏について、鈴木保健医療担当部長は「必要な医療提供体制の確保を図る」と述べた。
12月4日(月) 第4日(一般質問)
- 【県産スイカの知名度向上へ】
高橋祐子議員は、スイカ栽培の振興や温暖化対策の一環での住宅窓の断熱改修を質問。
スイカは県の代表的な農産物で全国第2位の産出額を誇る。熊谷俊人知事は「消費者ニーズを踏まえ、種なしやカット販売に適した品種の導入を促している。産地と連携して一層の知名度向上に取り組む」と述べた。
窓の断熱改修促進へ市町村を通じた県の補助件数は2020年度の52件から22年度は370件に増加。井上容子環境生活部長は「効果も含め普及啓発に努める」とした。
- 【養老渓谷の魅力発信を強化】
小路正和議員は、台風13号で被災した養老渓谷やいすみ地域の医療提供体制を質問。
養老渓谷の観光客の減少を最小限とするため、県は観光施設の復旧状況などの最新情報を提供してきた。熊谷知事は「渓谷沿いの景観や温泉の魅力発信について、インフルエンサーを活用して強化する」と述べた。
同地域が属する医療圏は、医療需要に対しての医師の充足度が県内で最も低い。鈴木貴士保健医療担当部長は「修学資金貸付制度で医師確保に努めている」と答弁した。
- 【介護人材確保へ先輩体験談】
市原淳議員は、外国人介護人材や医薬品の供給状況について聞いた。
県は学費や来日後の居住費を助成し、留学生の介護人材の確保に努めている。高梨みちえ健康福祉部長は「今後は介護施設で働く先輩留学生の体験談を届け、県で働く魅力を伝える」と述べた。
一部の製薬会社で製造上の不正が発覚し、全国で医薬品の供給が不安定となっている。鈴木保健医療担当部長は「医療機関等に対し、発注が必要最小限となるよう協力依頼している」と話した。
12月5日(火) 第5日(一般質問)
- 【接続部分の道路設計に着手】
宍倉登議員は、道路問題や次期県教育振興基本計画について質問した。
(仮称)検見川・真砂スマートインターチェンジについて、池口正晃県土整備部長は「地元説明会を行い、現在東京方面の(国道357号線から東関東道へ接続する)ランプ部の道路設計が進められている」と述べた。
次期県教育振興基本計画で、冨塚教育長は「(同計画のうち)今年度中に10年後の本県教育の目指す姿や基本目標などの骨子を取りまとめる」との方針を示した。
- 【重点促進区域2カ所設定へ】
小野﨑正喜議員は、地域未来投資促進法に基づく重点促進区域の設定について質問した。
成田空港周辺の航空物流拠点形成に向け、土地利用規制の弾力化で企業の投資促進を図る重点促進区域について、熊谷知事は「(空港周辺)市町と協議を重ねた結果、多古町と成田市内の2カ所に設定することにした」と明らかにした。
今後については「先月末から空港周辺9市町とともに国との協議を開始した。今年中に同意を得られる見込み」と説明した。
12月6日(水) 第6日(一般質問)
- 【「でるた」利用約1万7千件】
森岳議員は、スマート農業の推進や医師の働き方改革について質問した。
県は水稲生育予測アプリ「でるた」の運用を4月から開始。前田敏也農林水産部長は約1万7千件のアクセスがあったとし「梨やサツマイモでも先端技術を活用したスマート農業の研究開発を行っている」と述べた。
鈴木貴士保健医療担当部長は来年4月開始の医師の時間外労働上限規制について、県内病院の約8割に相当する233病院が同労働時間の把握を行ったと説明した。
12月7日(木) 第7日(一般質問)
- 【ノリ新品種開発で食害対策】
渡辺務議員は、ノリ養殖の生産安定に向けた取り組みや少子化対策について質問。
県のノリ養殖は、2015年以降に生産枚数が激減し、19年にクロダイによる食害が主原因と判明。県は防除ネットを新たに開発し、対策してきた。前田敏也農林水産部長は「食害を受けても再成長する新品種開発に取り組んでいる」とした。
高梨みちえ健康福祉部長は「本年度、県少子化対策協議会を設置し、仮想空間を活用した先進的な婚活支援などの紹介を行った」と述べた。
- 【非常用発電、整備率74%に】
阿井伸也議員は、県営水道を除いた水道事業体の非常用発電設備や水産業について質問。
非常用発電設備について、冨沢昇総合企画部長は「11月時点で246施設に整備済み。可搬式の発動機で対応可能な場合などを除いて、整備率は約74%」と答弁した。
海水温の上昇などに伴う漁獲される魚の種類や量の変化で、前田農林水産部長はサンマやマサバの漁獲量が減少した一方で「これまで水温の高い西日本で多かったクロダイやタチウオなどは増加した」と説明した。