平成26年9月定例県議会 代表・一般質問質疑内容を掲載

9月25日(木) 第1日(代表質問)

  • 【農地中間管理機構 借り受け希望273件】
    木下議員は、使われていない農地を借り受け、規模拡大や新規参入を図る農家に貸し付ける「農地中間管理機構」の取り組み状況について尋ねた。

    高橋渡副知事は、8~9月に農地借り受け希望者を募集したところ「県内各地から273件の申し込みがあった」と答弁。今後、個々の借り受け希望の内容に応じて、担い手への農地貸し付けの手続きを進める方針を示した。

    同機構では、県内の各農業事務所に専任職員を配置。一方で、職員の業務をサポートするため、地域の実情に精通した市町村や農協などの関係団体と連携し、地域ごとの推進体制を整備。高橋副知事は「足腰の強い農業を確立するため地域農業のけん引役となる効率的な経営体の育成を支援することが重要」と述べた。

9月29日(金) 第3日(一般質問)

  • 【海抜表示の標識 1437カ所設置完了】
    佐野彰議員は、東京湾の平均海面高を海抜0メートルとして各地の標高を表示する「海抜表示」の県内設置状況を尋ねた。

    永田健県土整備部長は「県管理道路では9土木事務所のうち8土木890カ所が完了し、残る1土木73カ所については本年度中に完了する予定」と答弁。国は127カ所、千葉市は420カ所で完了しているとした。海抜表示は津波被害の軽減策として、信号などの見やすく、高い位置に設置される。
  • 【避難勧告指示基準 今月中に策定終了】
    林幹人議員は災害時に市町村が出す避難勧告・指示について、発令基準の策定状況を聞いた。

    遠山誠一防災危機管理部長は「国の新ガイドラインで災害ごとの基準を明示されたことから、県はこのガイドラインに基づき具体的な判断基準を策定するよう、市町村に働き掛けてきた」と説明。その結果、判断基準が必要な県内市町村(土砂50市町、津波29市町村)のすべてで今月中に策定される見込みとなったと明らかにした。
  • 【加茂川の土砂堆積 撤去を前倒し実施】
    亀田郁夫議員は、夏季の小雨時に土砂が堆積し河口が閉そくしている二級河川「加茂川」の改善策についてただした。

    同川は2005年度にも同様の状況が生じ、管理者の県が土砂の撤去作業を行っている。森田知事は「今回は鴨川市管理の下水道で悪臭が発生している」と指摘。撤去から約10年が経過したのを踏まえ、当面の対策として「土砂撤去の前倒し実施を検討するとともに、鴨川市と連携して抜本的対策を検討する」と述べた。

9月30日(火) 第4日(一般質問)

  • 【カミツキガメ868匹を捕獲】
    滝田敏幸議員は印旛沼水系に定着したカミツキガメの捕獲や他地域への拡散状況について尋ねた。

    中島輝夫環境生活部長は「本年度は8月末現在で千葉県が728匹、市町村や警察と合わせて868匹捕獲した」と答弁。過去の状況を踏まえ、本年度は時期を早めて産卵前の捕獲を目指したとした。また、印旛沼水系以外については「市町村の捕獲状況は8匹のみで、他地域での広がりはないものと考える」とした。
  • 【国の基金事業活用し県産木材の利用確保】
    鈴木衛議員は、政府が進める「地方創生」に関連し、県南部地域の林業への支援状況を聞いた。

    麻生恵農林水産部長は「国の森林整備加速化・林業再生基金事業を活用して、木更津市内の木材加工施設の整備を支援した」と説明。同施設では厚さ3ミリ程度の薄い板を貼り合わせ合板の一種を新たな木材製品に加工。事業実施には地域材の利用増が条件となっており「同施設で年間2500立方メートルの県産木材の利用が確保された」という。
  • 【落花生おおまさり 栽培面積6倍に】
    山本義一議員はゆで落花生専用の品種として開発された「おおまさり」の普及拡大について取り上げた。

    麻生農林水産部長は「一般的な落花生と比べ約2倍の大きさで品質が良く、消費者から高い評価を受けているため年々生産量が増加している」と説明。昨年のの栽培面積は59ヘクタールと、導入を開始した09年の6倍に拡大したと明らかにした。

    さらなる消費拡大に向け販売事業者らと連携したPR活動などを進める。

10月1日(火) 第5日(一般質問)

  • 【県内産婦人科医 2年で22人増加】
    鶴岡宏祥議員は、県内の産婦人科医師の現状について聞いた。

    古元重和保健医療担当部長は「産婦人科または産科に従事する医師数は2012年末現在437人で、10年に比べ22人増加している」と答弁。

    産婦人科医の確保定着に向けては「産婦人科医を目指す研修医の処遇改善に取り組むとともに、通常の分娩を助産師が担う院内助産所の整備を促進することにより、医師の負担軽減に努めている」と述べた。
  • 【看護修学資金 貸付枠50人分増】
    自民党の石毛之行議員は、銚子地域の医師、看護師確保策を聞いた。

    古元保健医療担当部長は「銚子市立病院など地域の自治体病院に将来勤務することを条件に、医学生や研修医に対し修学資金を貸与したほか、本年4月には銚子市の千葉科学大学に学年定員80人の看護学部が新設され養成体制の強化が図られた」と報告。また、看護学生への修学資金貸し付け枠を新たに50人増やす関連予算を9月補正予算案に計上したと説明した。
  • 【被災者支援延長 実情踏まえ検討】
    大松重和議員は、東日本大震災の被災者に対する生活再建支援事業の延長について県の姿勢を尋ねた。

    国の被災者生活再建支援制度とそれを補完する県単独の支援制度はこれまで県内全域を対象に期限が延長されてきた。森田健作知事は「震災から3年半が経過したが一部で住宅再建が遅れている地域がある。今後、あらためて地域の実情や市町村の意見を把握した上で県としての対応を考えていく」と述べた。

10月2日(水) 第6日(一般質問)

  • 【がん教育で県教委 リーフレット作成】
    岡村泰明議員は、県教委による「がん教育」への取り組みについて尋ねた。

    滝本寛教育長は「本年度から始まった文科省の支援事業を活用する検討会を設置し、教育内容などを検討している」とした上で、年度内にリーフレットを作成し、県内の各中学校に配布する方針を示した。成田市内のモデル校で検証授業を行った上で作成。がんとタバコの関係などを掲載し「命の大切さを含めた内容にしたい」としている。
  • 【三番瀬の漁場再生 地元漁業者と協議】
    斉藤守議員は東京湾岸に広がる三番瀬の漁業権について取り上げた。

    麻生恵農林水産部長は「三番瀬の漁場再生を図りながら漁業を継続していくためには今後の漁業のあり方を総合的見地から再検討する必要がある」と答弁。 県は現在、漁場の位置や区域など免許内容の検討のほか、円滑に漁業が営める枠組みづくりについて漁業者と協議を進めており「これらの課題を着実に解決することにより三番瀬の漁業振興に努める」とした。
  • 【放課後児童クラブ 1152人が待機】
    木名瀬捷司議員は、放課後児童クラブの県内の設置状況と待機児童数について尋ねた。

    中岡靖健康福祉部長は「県内全体の数は本年5月1日現在、976クラブ。4万2060人が登録している」と答弁。待機児童は1152人いることを明らかにした。また、待機児童解消に向け県が実施している市町村などへの整備助成について「本年度は1350人の定員増が図られる見込み」と説明、積極的な制度利用を図るとした。