令和4年12月定例県議会 代表・一般質問質疑内容を掲載

12月1日(木) 第1日(代表質問)

  • 【ヤングケアラー支援検討へ】
    鈴木衛議員は、県が初めて実施したヤングケアラー実態調査を受けた対策や、老朽化した知事公舎のあり方などを聞いた。

    県の調査で小学6年の14・6%が「世話をしている人がいる」と答えるなど課題が浮き彫りに。熊谷俊人知事は「有識者による調査研究委員会で分析され、報告書が年度内にまとまる」と見通しを示した。

    県の対応は「当事者同士が悩みを相談しやすい場の設置や、支援につながるネットワーク作りを検討する」と答えた。

    知事公舎では、居住機能や執務機能として利用されたが老朽化が進んでいると指摘。「主要会議や県産品PRなどで有効活用したい」とした上で、副知事公舎を含む施設全体のあり方について「早期に一定の方向性を示したい」と述べた。

12月2日(金) 第2日(一般質問)

  • 【入札不調の割合は16~10%】
    三沢智議員は、県発注工事の入札不調の状況や、海岸漂着物の処理などを聞いた。

    入札不調について池口正晃県土整備部長は「2020年度は612件、21年度は370件、22年度は9月末までで150件。不調の割合は16%、11%、10%」と説明。入札が進むよう「技術者の配置期間の緩和などを行っている」と述べた。

    吉野美砂子環境生活部長は海岸漂着物の処理状況を「県と市町を含めた21年度の実績は247トン」で、市町と連携して処理を進めるとした。

12月5日(月) 第3日(一般質問)

  • 【県こども計画、作成を検討】
    佐藤健二郎議員は、県こども計画作成や県国際総合水泳場の設備劣化度調査などを質問。

    人権保障や子育て環境整備を定めたこども基本法で策定が求められる県こども計画で熊谷知事は「同法の基本理念などと趣旨や目的の関係性を確認しながら作成を検討する」と述べた。

    県国際総合水泳場の劣化度調査で、前田敏也スポーツ・文化局長は「調査結果や外壁等の劣化度合いを踏まえ、改修の優先順位をつけるなどし、早期に維持管理計画書を策定する」とした。
  • 【TX8両化でホームを延伸】
    武田正光議員は、地元流山市の道路・鉄道問題や、介助犬導入の状況などを質問した。

    つくばエクスプレス(TX)の8両化について高橋俊之総合企画部長は「8両化にはホーム延伸や車両調達が必要。2012年度に南流山で延伸の先行整備がなされ(都内)4駅で工事完了している」と状況説明した。

    介助犬について高梨みちえ健康福祉部長は「手足に障害のある人の自立・社会参加に重要」と述べ、20年度以降は4頭導入になるとした。今後は周知にも努める方針。

12月6日(火) 第4日(一般質問)

  • 【電気自動車、充電設備支援へ】
    高橋祐子議員は、電気自動車の充電設備普及や千葉県150周年記念事業などを質問。

    普及が進まない集合住宅などでの充電設備について、吉野美砂子環境生活部長は「都市部では集合住宅での充電設備などの普及に、郊外では観光客が利用できる環境整備に努める」との方針を示した。

    チーバくんの県150周年記念デザインで、前田敏也スポーツ・文化局長は「来月から県内企業などに活用を呼びかけ(グッズ作成など)賛同行事募集を始める」とした。
  • 【印旛沼汚濁改善へ水草駆除】
    伊藤昌弘議員は、印旛沼での水質浄化対策や米価下落対策などを聞いた。

    県は印旛沼や流域河川で水質汚濁の原因となる水草「ナガエツルノゲイトウ」が約7万8千平方メートル生育していると確認。吉野環境生活部長は「駆除を今年度開始し、約1万6千平方メートルで完了した」と述べた。

    県が作付け面積の目標を1万ヘクタールに設定した飼料用米について、舘野昭彦農林水産部長は「2022年産の県内作付け面積は1万706ヘクタールで目標を上回った」とした。
  • 【外房漁場、漁業者と藻場保全討】
    小高伸太議員は、外房の漁場保全や、有害鳥獣を捕獲する担い手不足問題など質問。

    漁場で海草が消失する「磯焼け」に、舘野農林水産部長は「県の調査で勝浦、鴨川市で兆候があり、防止に取り組む必要がある」と指摘。ブダイなど食害魚の駆除を行い、漁業者と連携して藻場保全に努めるとした。

    有害鳥獣捕獲の担い手問題に吉野環境生活部長は「狩猟免許取得に財政支援している。さらに新人ハンター入門セミナーを開くなど担い手確保に努める」と答えた。
  • 【児相開設向け人材育成支援】
    斉藤守議員は、船橋市が開設を目指す児童相談所への支援や、東京湾漁業を聞いた。

    児相対応に、高梨みちえ健康福祉部長は「2015年度以降、船橋市から研修職員26人を受け入れるなど人材育成の支援を行っている」と説明。児相職員の採用で、市と連携し取り組んでいく方針も示した。

    船橋沖の貝類の安定生産に舘野農林水産部長は「アサリは著しく減少、ホンビノス貝も減少に転じた。生息場の調査などを行い、資源の利用方法を協議する」と述べた。

12月7日(水) 第5日(一般質問)

  • 【国道14号歩道橋移設に遅れ】
    鈴木ひろ子議員は、国道14号の船橋競馬場駅前歩道橋の移設が未着手の理由などを質問。

    池口正晃県土整備部長は、移設先の地下に大量のケーブルがあり「管理者と協議した結果、切断して再接続する新たな作業が発生することが判明した」と説明し、その設計に1年以上、工事に2年程度かかり、2023年度の供用開始予定から遅れる見通しと答えた。

    災害やコロナ禍での支援物資の融通には、熊谷俊人知事は「備蓄品の情報を一元的に共有することが有効」と答弁した。
  • 【地域特性活用の誘致策検討】
    宍倉登議員は、企業誘致や千葉港コンテナターミナル利用拡大への取り組みを質問。

    県内の特性を踏まえた企業誘致策で、野村宗作商工労働部長は「県経済を牽引する地域や産業分野に新たな投資を呼び込むため、必要な施策を検討する」と説明した。

    コンテナ取扱量を増やすためターミナル利用助成制度を設けており、増加分に対し8社に補助。池口県土整備部長は「2021年の総貨物量は前年比52%増加した」と述べ、制度を活用して取扱量を増やす考え。

12月8日(木) 第6日(一般質問)

  • 【短期入所開設支援を検討】
    中村実議員は、医療的ケア児の医療型短期入所事業所や東京湾の水質改善を質問。

    家族が病気時などに医療的ケア児を預ける同事業所は県内12カ所にあるが、空きや周辺に立地がなく利用しづらい状況にある。熊谷俊人知事は「事業所開設支援策などを検討する」と述べた。

    県から東京湾に流入する水の汚濁負荷量減少に向け、県は下水道などの整備を促進。吉野美砂子環境生活部長は「2019年度の調査で、窒素やリンが40年前から約5割減少した」とした。
  • 【「成田機能強化」着実に進む】
    本間進議員は、成田空港機能強化の進ちょくや利用の少ないJR路線対応を聞いた。

    空港機能強化に高橋俊之総合企画部長は「第2の開港と言える国家事業で用地取得に必要な作業はほぼ終了。東関東自動車道の工事も始まり空港会社により整備は着実に進んでいる」との認識。

    利用の少ないJR路線に高橋部長は「開業した1987年度と昨年度を比較すると公表4路線5区間は93~60%減」と説明。一方で重要路線として沿線市と連携し利用促進に努めると述べた。
  • 【水道事業、統合素案策定へ】
    阿井伸也議員は、水道用水供給事業体の統合問題と、県産農産物の輸出について質問。

    高橋総合企画部長は、九十九里・南房総地域の事業体と県営水道の統合協議について「統合により管理部門の集約や経費が節減できる。統合後の経営の基本的指針となる『統合基本計画の素案』を年度末までに策定する」との方針を示した。

    舘野農林水産部長は「輸出目標額を2020年度の6割増となる225億円と設定。梨やサツマイモなど輸出促進に取り組む」と述べた。