令和2年12月定例県議会 代表・一般質問質疑内容を掲載

12月3日(木) 第1日(代表質問)

  • 【補正予算案、コロナを重視】
    小池正昭議員は、1417億3千万円に上り、12月補正としては過去最大となった補正予算案で重視した点などを質問した。

    森田健作知事は「新型コロナのクラスター(感染者集団)発生が相次ぎ、新規感染者は大幅増加するなど非常に強い警戒が必要」とし、新型コロナ対策を充実したと説明した。

    経営難が続く病院支援の「空床確保事業」を続け、国の制度改正に伴い1床あたりの補助単価を一日約2万~3万円増額。県独自の「休床」補償も継続する。

    「厳しい経済状況に置かれている中小企業も支援する」と述べ、県内中小、個人事業主への利子補給事業を拡充する。

    昨年度甚大な被害があった一宮川流域の浸水対策事業では債務負担行為を設定したと説明した。

12月4日(金) 第2日(一般質問)

  • 【農業被害受け、保護区縮小へ】
    江野澤吉克議員は、有害鳥獣による農業被害の軽減へ鳥獣保護区の縮小について聞いた。

    冨塚昌子環境生活部長は「多様な鳥獣の保護を目的に県は59保護区を指定している。(近隣住民の)安全性確保に配慮しつつ、見直しについて市町村の意向を確認し、猟友会や農業団体と協議しながら検討を進める」と答弁。

    他県では農業被害の深刻な保護区を一時的に解除し、対象を限定することで捕獲数が増えた例がある。先行事例を参考に取り組みを検討する。

12月7日(月) 第3日(一般質問)

  • 【転院搬送時のルール協議を】
    伊豆倉雄太議員は、病院を転院する患者を搬送する際に救急車が使われる割合を聞いた。

    石渡敏温防災危機管理部長は「県内消防機関の転院搬送は2018年に2万7千件で全体の8・1%を占める。救急搬送に支障がないよう市町村と医療機関で合意形成を図ることが重要」と答弁した。

    県は転院に緊急性がない場合は医療機関が保有する搬送車や業者に委託して行うよう求めている。県は各市町村に対し、転院搬送時のルール作りを促していく。
  • 【湾岸道路整備、具体化へ協力】
    佐野彰議員は、東京湾岸道路整備の検討状況や県の姿勢などについて質問した。

    森田知事は「外環・高谷ジャンクション周辺から蘇我、市原インターチェンジ周辺までの湾岸部ではルートの検討を進めることとされ、国が速やかに計画段階評価の手続きに着手することになっている」と説明。

    さらに「地域の意見を踏まえてルート、構造など複数案を比較・評価し計画案が選定される。県は沿線市、関係機関と調整し早期の計画具体化へ国に協力する」とした。
  • 【経営悪化病院、支援金を支給】
    武田正光議員は、新型コロナ対策で、コロナ患者を受け入れない病院支援策を質問。

    受診控えなどにより、経営が悪化する病院が増えているとの指摘に、渡辺真俊保健医療担当部長は「地域医療を支えるさまざまな医療機関の経営安定は重要な課題」との認識を示した。

    その上で地域医療の継続提供へ、個人防護具の確保や消毒等の環境整備などを支援し「医療収益が大幅に減少した中小医療法人へは中小企業再建支援金を支給している」などと説明した。
  • 【農業被害受け、保護区縮小へ】
    小野﨑正喜議員は、県が進めている企業誘致の状況と現在の取り組みについて聞いた。

    森田知事は「アクアラインの通行料800円維持などの立地優位性をアピールして企業誘致に取り組んできた。1~6月の実績は製造業や物流施設など33件であり、前年同時期(21件)と比べ5割上昇した」と答弁。

    例年は東京、大阪で年に1度、知事出席のセミナーを開いているが、今年はコロナの影響で中止した。誘致アピールのための動画を県が作成し、17日から公開する予定。

12月8日(火) 第4日(一般質問)

  • 【若年性認知症支援で相談員】
    木名瀬訓光議員は、若年性認知症患者と家族に向け、県が行っている支援を聞いた。

    加瀬博夫健康福祉部長は「県内の患者は約1900人と推定される。県は専用相談窓口に若年性認知症支援コーディネーターを配置している」などと説明。

    県が患者らに行った聞き取りでは7割が発症後に退職したと答えたが、外出や趣味を楽しみたい人は5割、就労を希望する人も2割いた。県は相談窓口の周知に加え、患者の入所施設と連携し、支援を強化していく。
  • 【消費生活相談、住宅関係が増】
    宍倉登議員は、消費者の安全を守るため、消費生活相談について現状を聞いた。

    冨塚昌子環境生活部長は「昨年度の消費生活相談は、県と市町村の消費生活相談窓口に約5万7千件寄せられ、前年度より約2500件減ったが高い水準で推移している」と述べた。

    また「昨年度の相談の特徴は住宅修理工事に関するものが多く、前年度に比べ1137件増の4137件だった」と説明。主に台風の住宅被害に伴うものと見られると補足した。
  • 【移住促進へオンライン活用】
    山本義一議員は、県内への移住を促進するため市町村と県の連携を聞いた。

    鎌形悦弘総合企画部長は「東京都への近接性やバランスの取れた産業構造などが強み。都心へのアクセス強化などを通じて移住先として選ばれるようにする」と説明。

    県は移住希望者に行ったアンケートを基に子育てを重視する人など四つに分類。県と12市町村がオンライン移住相談会に参加し、PRしている。県は市町村向けにパンフレット作り方講習を行うなど支援している。

12月9日(水) 第5日(一般質問)

  • 【応急給水実施へ10市と覚書】
    伊藤寛議員は、災害時に県営水道と給水区域11市が行う応急給水の準備状況を質問。

    岡本和貴企業局長は「災害時の応急給水活動は給水区域各市と連携しながら身近な拠点を構築するのが重要。学校などで応急給水が実施できるよう各市と覚書を締結している」と説明した。

    未締結の松戸市を除く10市に仮設給水栓約200本を貸与し、合同で訓練を実施。災害時の円滑な給水のため給水栓の場所が一目で分かる情報管理システムの2021年中の整備も目指す。
  • 【東千葉MC、会議参画で支援】
    石橋清孝議員は、東金市の病院「東千葉メディカルセンター」の問題を取り上げた。

    不適切な業務委託などが指摘された同問題に対し、地元自治体から県への関与を求める意見が多数だったことに渡辺真俊保健医療担当部長は「県は2018年度末に30億円の追加支援をした。病院、設立団体が責任を果たしてほしい。県は経営健全化会議等に参画するなど支援する」と答弁。

    次期中期計画策定には「病院が自立した経営ができるよう助言する」と述べるにとどめた。

12月10日(木) 第6日(一般質問)

  • 【臨時支援金、銚電に月内給付】
    宮川太議員は、経営難が続く銚子電鉄に対する県の支援について質問した。

    森田知事は銚子電鉄の厳しい経営状況に触れた上で「県は公共交通事業者が車両や駅舎の感染防止対策に取り組みながら運行を継続できるよう、臨時支援金事業を9月補正予算で創設した。会社に対し今月中に給付できる見通し」と説明。

    さらに「銚子市をはじめ関係者と連携を図り、鉄道の安全輸送を確保するための設備投資等にしっかりと支援していく」と述べた。
  • 【指定管理制度効果は11億円】
    阿井伸也議員は、行財政改革につながる指定管理者制度の現状などを聞いた。

    森田知事は「指定管理者による独自サービス提供など施設の有効活用が進んだ。経費削減効果は導入前の運営経費と比べると、本年度に選定した14施設で年間11億円削減できた」と強調した。

    制度導入から同じ団体が指定管理者となっている数を問われ、石川徹総務部長は「制度利用施設は61あり、そのうち同じ団体が受け続けているのは38施設」との現状を明らかにした。